天使がチャイムを鳴らすとき
数年ぶりに会う約束をした友人と、LIFEでおいしいワインを飲みました。輝く笑顔と躍るような瞳は昔のまま。美しい友人です。
クリスマスプレゼント、と言って彼女がさし出したのはスウェーデン製のエンジェルチャイムでした。なんと子供の頃、うちにあったのと全く同じもの。ロウソクに火をともすとあたたまった空気が上昇して3人の天使を回し、その天使の胸から下がるスティックがチャイムに触れて微かな音を鳴らすのです。
かつて彼女と私は同じ会社で机を並べ、毎日のように相手の喜怒哀楽をすぐ近くに感じていました。忙しくしているのが好きな彼女と、ひまにしているのが好きな私。それぞれに会社を辞め、別の道を歩き始めてからはなかなか会う機会もなかったのですが、ある時代に集中的に時間を共有した人とは、再会したとたんに笑いの共通ポイントを思い出すものですね。ワインをたっぷり飲みながら、なんだか大笑いばかりしていました。

ままならない大恋愛を終わらせて心身ともに自由になった彼女は、会社員時代に試行錯誤していた<天職>を自分の手でつかんでエネルギーを注ぎこみ、いきいきと活躍しているようでした。得意なこと、好きなこと、人に喜ばれて対価を払ってもらえること。この3つが一致する仕事につける人は決して多くはありませんよね。悩み続ける力、希望を失わずに小さな挑戦を積み重ねる力を持っている彼女だからこそ実現できたのでしょう。そんな力はいわば、魂の基礎体力。
いっぽうの私といえば、相変わらず本と散歩とカフェでぼんやりの日々。でもなぜかしら、誰もが同じひとつの山を別々のルートで登っているにすぎないのだと感じていました。険しいルートも単調なルートもあるけれど、いつか山頂にみんなが集合する日が来るでしょう。時には何合目かで、それぞれの道が交差することもあるでしょう。私は私が本当に知りたいことを知るために、私のルートを登っていこう。そしていつか山頂で、懐かしい人々とお互いの健闘をたたえあって乾杯しよう。そんなことを思いました。
次の晩、部屋の明かりを消して、夫にエンジェルチャイムのロウソクに火をつけてもらいました。金色の天使たちは微かな合図を響かせながら、いつまでもくるくると回り続けていました。








