良い茶壷の澄んだ音に
「良い素材は良い音がするものです。」
食器の素材についてそれほど深く考えたこともなかった私がチンシャンのスタッフになった時にハッと気付かされた一言です。先週の流れで、初心に戻って見つめなおした一週間。
そういえば、良い茶壷の見分け方の一つとして茶壷の音を聞く…という方法がありました。仕事柄、色々な茶壷を見る機会を得てきた現状に至っては少しは「澄んだ音の良さ」がわかりつつあります。
初心者の頃はキンキンと甲高い音もキレイに思っていました。でも、実際に中国・宜興で「土」工場を視察した際には紫砂泥以外の硬い素材が混ざった粗悪なものもあることを教えてもらい、知れば知るほどキンキン音はあまり美しく聞こえなくなってしまいました。(そのような素材の中にはレンガや植木鉢に使われる物もあるのだそうです)
チンシャンで扱っている陶器の茶壷は全て純度の高い紫砂泥と水だけを使用して手作りで生産しているので、折に触れ「ホンモノの音」を聞きながら過ごしている私。かれこれ3年聞き続けていますが、なるほど飽きません。飽きるどころか、ちょっと息抜きにお茶を淹れる時などは「あぁ~澄んだキレイな音だなぁ~」とホッとします。
中国茶を淹れるときに、高い位置からお湯をコポコポと音を立てて注ぐ「茶芸」をご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思います。そういう「注ぐ音」もまた、良い素材の茶器なら一層良い響きとなっているのです。これは、コンクリート造りの川原と自然のままの川原での癒し効果の違いについて研究された結果に似て、やはり、ホンモノの自然の素材を使った音ならではの「癒し」効果があるとも考えられます。
何より茶器が触れ合う音を聞いていると、幼い頃の「おやつの時間」が懐古され、母が作ったプリンと温かいお茶を思い出して、心が休まるのかもしれません。
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