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2006年07月23日(日曜日)

山手線はコーヒーカップのふちを回る~珈琲時光

古い喫茶店の好きなひとなら、おそらくご覧になったことでしょう。小津安二郎生誕100周年にあたって、台湾のホウ・シャオシェン監督が東京で撮影した小津へのオマージュ映画『珈琲時光』。スクリーンのなかで、神田のエリカ、銀座のももやなど、おなじみの老舗喫茶店が静かな光に包まれている光景を観ることができます。

タイトルには「珈琲を味わうときのように気持ちを落ちつけ、心をリセットし、これからのことを見つめるためのひととき」という意味があるそうですが、映画のなかでコーヒーに劣らず重要な役割を担わされていたのは、東京の街をたえず行き交う無数の電車たちでした。

060723kawag.jpg「東京と電車は切り離せないというのが私の東京観なのです」

監督がそう語るように、主人公たちは日々くりかえし都電荒川線や山手線、中央線などに乗って小さな移動をしています。古書店の主人役の浅野忠信が自画像として<緑色の山手線の車輌に囲まれた胎児>を描いたのも、電車や駅のホームにマイクを向けて音を収集しているのも、電車がかけがえのない自分たちの日常であるからなのでしょう。

山手線はゆっくりと円を描いてまわっているだけで、決して東京都心から離れることはありません。だからこそフリーライター役の一青窈は、山手線のなかで安らかにうたたねをすることができたのです。

考えてみれば私も、さほど混雑していない昼間の山手線の座席に腰をおろして電車のリズムに揺られているときには気持ちが落ちつき、これからのことを考えたり、小さなアイディアが降ってくるのをつかまえたりしていることが多いのです。それは「珈琲時光」という言葉に託された時間と同質のもの。

昼間の山手線は、コーヒーカップのふちをぐるぐると回っています。


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