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2006年12月03日(日曜日)

なくしたものの国

061201kawag1.jpg交差点の舗道に立って信号を待っているときに、足もとにちかちかっと光るものをみつけました。目をこらすと、ピアスの金色の小さなキャッチが敷石の継ぎ目にはさまっていました。だれかの耳からこぼれ落ちたのでしょう。そう遠くないところにピアスの本体も落ちているかもしれません。それとも、ピアスが耳から抜け落ちるときにはそのひとも気がついて、あ、と言いながら手のひらで受け止めることができたでしょうか。

イヤリングをなくしてばかりいるので、20代の半ばで耳たぶに穴をあけてピアスに変えました。重たいイヤリングは長い時間つけていると頭が痛くなってくることがありますから、仕事中も、お酒を飲みに行くときも、しょっちゅうはずしてテーブルの上に置いたりしていたのです。なくさないほうが不思議ですよね。

ところが、ピアスにしたらなくさなくなったかというと、そんなことは全然なくて、今度は気がつかないうちにキャッチをぽろりと落としていて、ふと耳に手をやるとピアスがない……という事態が起きるように。くやしいことに、高価なピアスほど早く行方不明になるという法則までできてしまいました。

061201kawag2.jpg人間が死んで魂が肉体から抜け出すと、最初に美しい花畑に行くといいますが、そこにはきっと「なくしたものの畑」も含まれているに違いないと思って自分をなぐさめています。魂はそこで、一生のあいだになくしたものを全部返してもらえるのです。

イヤリングとピアス。
買っても買っても、どこにしまったかわからなくなって結局買いなおすはめになる切手。
なぜか必ず行方不明になる靴下の片方。

あまりにもたくさんあるので、魂が花畑から宇宙の彼方に上がっていくときも、両腕からぽろぽろ落としてしまいそうですが。

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