天気と気分
すっかり春めいてきました。
まだ外気は少し冷たいですが、朝起きるとまずは窓を開け外の空気を室内に取り込みます。
そして中国茶を淹れるためにやかんを火にかけ、ゆっくりとお湯を沸かします。
ぽかぽかと柔らかい春の日差しが窓辺から室内に差し込み、それだけでなんだか前向きになれます。
天気が人の気分に与える影響というのはとても大きいと思います。
数ヶ月前、私の友人が真冬の寒い時期に東京のど真ん中で失恋をしました。
クリスマス前で華やぐ都会の喧騒の中で、バッサリふられてしまったのです。
そんな彼女の様子は痛々しいの一言につきました。
その後、鬱々と落涙の日々を過ごしていたのですが、仕事でカリフォルニアに1週間ほど
滞在することになり、彼女はとてもそんな気分ではなかったそうですが、仕事は仕事なので
乾かぬ涙を拭いながらカリフォルニアへ飛び立ちました。
そして1週間後、彼女はいつもの彼女に戻っていました。
颯爽と仕事をさばく、軽やかで快活な彼女でした。
彼女曰く、「カリフォルニアの青い空と乾いた空気が私の気持ちを前向きにさせたのよ!」
天気と気分の相関関係で言えば、私も少し経験があります。
私のふるさとは新潟ですが、冬の間の3~5ヶ月もの間、ほとんどおてんとう様を拝むことができません。
ちょっと顔をのぞかせたかな、と思いきや、あっという間にまた顔を隠してしまい、気が付くと吹雪いていたりします。
いつも空はうす曇の灰色。
空気も日本海の湿気を含んでいるようで、なんとなく重たいです。
何か気分が落ち込むことがあってふと空を見上げても、さっぱり前向きになれません。
気分も空も灰色なわけです。
そんな風に陰鬱な気分になりがちな新潟の空模様ですが、
他方、一晩中しんしんと雪が降り積もった翌朝、何もかもを真っ白に覆い尽くしている雪景色を見ると、何か自分の中で澱んでいたものが一掃され、全てがゼロになったような気分になります。
その気分はカリフォルニアの青空のような「前向きさ」とは違います。
ただゼロになっただけです。
そこから何か良いことが始まる気運など感じられませんが、何かが一度白紙になるというのは、一種独特の清清しさというか、踏ん切りみたいなものが感じられます。
それはそれで、とても気分が良いものです。
上京して約15年近くが経とうとしています。
体はすっかり東京の気候に慣れてしまいましたが、時々、あのゼロに立ち返るような真っ白な雪景色が懐かしくなります。








