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2008年03月24日(月曜日)

いしり、ご存知ですか?

「いしり」と聞いて、「ああ、あれね。知ってる!」と思われる方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか・・・。

先週末、「食べもの好き」(またの名を「単なる食いしん坊」)の友人2人と能登へ旅行に行ってきました。3人別々に東京を出発し、それぞれ行きたいところを巡って、金沢で落ち合い一緒に能登郡の宿へ向かうという流れでした。

私は九谷焼の産地を巡ったり、輪島の朝市や漆作家さんの工房にお邪魔したり・・・。盛りだくさんの内容でしたが、今回の旅のメインはズバリ、民宿さんなみ。能登の珍しい郷土料理が食べられる民宿です。友人が、数年前から絶対に行きたい!と心に秘めていたようですが、真冬の能登は寒くて耐えられません。そして、おいしいお魚を食べるには温かくなる前ガベスト。数ヶ月前に雑誌FIGAROで紹介されてしまった(?)こともあり、今行かなきゃ!と急きょ出かけることになったのです。

さんなみ 郷土料理ご主人はお野菜を全てご自身で作られており、かなり珍しい食材をつかったお料理を提供してくださいます。昔の能登で食べられていたお料理を研究しているらしく、地元の方でも知らないメニューもあるようです。漫画「美味しんぼ」には宿とご主人が実名で紹介されていますし、現在ビッグコミック(どちらも小学館)で連載中の漫画「築地魚河岸三代目」にも登場しているのです!(こちらは、6月に大沢たかおさん主演で映画化されるとのこと。)いただいたお料理で印象に残っているのは、コノワタ(ナマコの腸を塩辛にしたもの)やヌカイワシ、ハチメの塩焼き、ヨモギ入りごま豆腐、イカの赤造り(塩辛)、ナマコの酢の物・・・などなど。サイトでは、郷土料理・伝統料理一覧を見ることができます。

「さんなみ」はもちろんのこと、能登で昔から使われている調味料、それが「いしり」です。いしりとは、イカと塩だけで造った魚醤です。(魚醤、と聞くと私はまずタイのナンプラーを思い出します。)イカを塩と漬け込み、発酵させ、熟成が進むと、イカの形が崩れ、全体が液化してきます。その液化が進んだものを漉したものが「いしり」です。このさんなみでは「いしり」を2年間熟成させているそうです。私たちがいただいた食事にも「いしりの貝焼き」や「いしり」で炊いたご飯とイカを餅状にして串を刺し、囲炉裏で焼いた「海餅」など。魚の匂いと、スモークのような香りが特徴で、もしかすると少し癖があるので苦手な方もいらっしゃるかもしれません。旨みがなんともおいしく、「もう一口食べたい!」という気分になります。輪島朝市

この「さんなみ」でも使われていた、お醤油についてもご紹介させてください。七尾の鳥居醤油店。以前から東京の友人にこちらの醤油がおいしいという話を聞いていました。こうじ造りやもろみ管理など、このお店は昔ながらの設備、道具を使い、ほとんどの工程を手作業で行っているそうです。はちみつが入っていてほんのり甘く、やさしいお味のお醤油。防腐剤は全く入っていないのだとか。もちろん、自分と友人のお土産にお醤油を購入しました。毎日食べる調味料なので、おいしいもの、安全なものを使いたいですよね。

カフェ・スイーツ好きの方が「七尾」と聞くと、パティシエの辻口博啓さんを連想されるかもしれません。七尾は、彼の出身地として有名ですね。七尾の和菓子屋さんがご実家だった辻口さんは現在、和楽紅屋というお店で七尾にゆかりのあるお菓子を販売されています。その中の一つ、七尾鳥居醤油ロール。こんなところでも、辻口さんが故郷である七尾を盛り上げようとしている姿が見られます。

今回の旅行で感じたのは、郷土料理はその土地で食べるからこそ、おいしいのだということ。情報はすぐ手に入るし、欲しい物も通信販売ですぐに手に入るこの世の中。「『いしり』が能登の名物としてたくさんの人に知られるのはうれしい。でも、通信販売で買うのではなく能登に来て食べてほしい。さんなみに、足を運んで味わってほしい。」さんなみのご主人の言葉が印象的でした。

やっぱり、近いうちにイタリア・ウンブリアに行きたいな。ガストロノミアの土鍋を使ったお料理を食べに・・・。


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