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2008年04月12日(土曜日)

口コミで伝わらないカフェの話

080412kawag1.jpg蒲田といえば、チェーン系以外にカフェなどあるのかしら、というイメージの強い“居酒屋の町”ですが、駅のすぐ近くのマンションの2階に、驚くほど優秀なカフェがひっそりと身を潜めています。

障子を模したほのかに白く光る窓が、雑然とした外界の風景を完全に遮断し、漆喰と杉材の壁に囲まれたカフェの内部にやわらかなあかりをもたらしています。
デザインを手がけたのは、建築家であり、このカフェのオーナー八代まゆみさんのご主人でもある八代国彦さん。店内に並んでいる端正でありながらあたたかみを感じるフォルムの椅子たちは、木曽アルテック社にオーダーしたオリジナルです。

静かな愉しみの気配に満ちたこのカフェでお菓子教室を主宰する八代まゆみさんの信条は、お菓子づくりの各プロセスの中に、ほんのわずかでもおいしさのクオリティを増すポイントがあれば、すべて省略せずに実行すること。「おいしさへの努力は最大限におこなう」--そうして作られた名物のひとつが、写真の「蒲田モダンロール」(500円)です。

080412kawag2.jpg中央の手作りこしあんの風味との相性を考えて、生クリームは乳脂肪分の低いものを選び、すっきりした優しい味わいとなめらかな口あたりに。
それらをしっとり包み込む抹茶の生地は、ふわふわ感ともちもち感を両方とも楽しめるようにと、手間のかかるスフレ生地で作っています。

「飾らないお菓子ほど、作るひとの心がけが出てしまうのです」と八代さん。そのおいしさに、オープン当初から熱心に通いつめる常連の方々が、男女を問わずに多いそう。しかしこのカフェ、口コミでは全然ひろがらないのですって。

「近くの会社で働いている女性のお客さまが、『大切な隠れ家だから絶対にひとには教えません!』と言って帰っていかれました(笑)」

大切に場所だと思ってもらえるのは嬉しいし、でも、もう少しほかの人々にも知ってほしいし…と、こういうカフェをいとなむオーナーの想いは複雑です。考えてみれば私も、初めておじゃましたのは1年近く前になるのに、なんだかもったいなくて、大きな声ではひとに教えていませんでした!

お昼どきにはおいしい昼食を楽しむ人々で賑やかになりますが、午後2時を回れば、心をこめて淹れられた紅茶と、とびきりのお菓子の数々と、喧噪にじゃまされない時間が待ち受けています。

お茶とお菓子 まやんち
東京都大田区蒲田5-43-7  ロイヤルハイツ蒲田207号室
TEL 03-6276-1667


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