ものの命を継ぐ~和の伝統をカフェで
新刊『カフェとうつわの旅~あたらしい和のかたち』が青山出版社より発売になりました。
Amazonや楽天ブックスはもちろん、全国の書店の店頭にも並んでいますので、カフェ本のコーナー、または雑貨本のコーナー、旅行ガイドのコーナーなどでもし見かけたら、ぜひ手にとってご覧くださいね。
テーマは、カフェで出会うことのできる日本ならではの美しさ。その例はいくつも数えあげることができますが、今回の本づくりを通してとくに感じたのは、「繕う」という知恵の豊かさでした。
壊れたもの、欠けたものをていねいに、こまやかに修繕することで、新しくて完璧なものよりも価値を高めてしまうという日本の先人たちの発想のおもしろさ。その典型的な例が「金継ぎ」という陶磁器の繕いの技法です。
金継ぎは、割れたり、ふちが欠けたりしたうつわを漆で接着し、その上から金粉を巻いて磨いていく修理方法。『カフェとうつわの旅』では、2つのカフェでみつけた金継ぎをご紹介しています。
ひとつは岐阜・多治見で人気の陶芸作家・安藤雅信さんと奥さまの明子さんが開いているすばらしいギャラリーカフェ「ギャルリ百草」でみつけた白いうつわたち。いずれも安藤雅信さんの作品ですが、ニュアンスに富んだ白いうつわの上に細く、鈍く光る金継ぎの跡は、ものの命を、壊れるつど直しながら使い続けていくというギャルリ百草の精神をそのまま語りかけてきます。
もうひとつは、東京の下町に誕生した美しいギャラリーカフェ「馬喰町ART+EAT」のうつわたち。ここでは、金継ぎした茶碗だけを集めて、「割れ茶会」なるお茶会が催されているのです。金継ぎをおこなっているのは美術家の蓜島庸ニさん。
馬喰町ART+EATでは、家具たちもまた、古いウィスキー工場の樽として使われていた木材を再利用し、新しい木材と組み合わせて第二の生命を与えたものです。
古くなったものを繕い、その命を継いでいく。
命を継ぐことで、美しさがいっそう深められていく。
日本の人々のあいだに根づいていたそんな暮らしかたが、現代のカフェの中で、ふたたび力を持ち始めているように思えます。詳しくは、本のページで。








