CANAL CAFEの鯉は大正の蛍を見たか?
CANAL CAFEのデッキサイドにもっとも居心地の良い時間が流れる季節は、いまです。
桜の季節には平日でも長蛇の列ができるので、桜酔いする前に人酔いしてしまいそう。秋たけなわ、晴天の続くこの季節の昼下がりなら、ゆっくり深呼吸するようにして陽光を心に取りこむことができるのです。
お花見のできるオープンカフェとしてよく知られているCANAL CAFE。入口から左手は気軽なレストランに、右手は広々としたセルフサービスのカフェになっており、レストランなら事前に電話予約しておけるのですが、抜けの良い空と桜並木の下で過ごせるのはカフェのほうなんですよね。
友人と水辺の椅子に座ってグリーンカレーとドラフトビールのランチを楽しみ、水面の上で脚をぶらぶらさせて遊びながらのんびり過ごしました。
CANAL CAFEの前身は、大正時代に東京で最初に誕生したボート場。
カフェの現オーナーの祖父にあたる人物が、都民のためのレクリエーション施設を作ろうと、私費で郷里から船大工を呼び寄せて100艘のボートと乗り場を造ったのだそうです。その名も「東京水上倶楽部」。みんなのために私財を投じるとは、なんて粋な人物だったのでしょう。
当時は夏になれば蛍が放たれ、花火が打ち上げられていたようです。
現在はたくさんの鯉が背びれを水面につきだし、水面にみごとな航跡をつくりながら悠然と泳いでいます。巨大な鯉になると体長1メートル近いのではないかと目を疑うほど。
もしかしたら、古老の1匹は、東京水上倶楽部時代の蛍たちを見たことがあるのではないでしょうか。鯉の中には100歳を超えて生きるものもいるそうですから。
考えてみれば大正時代から、まだ100年も経っていないんですよね。
CANAL CAFE(カナルカフェ)
東京都新宿区神楽坂1-9
TEL 03-3260-8068








