インドから来た青年シェフ
美しい手しごとに携わる女性作家が、ギャラリーとカフェを開いています。そのカフェで、インドから来た青年に出会いました。すっと心に届く、気品あるエレガントな笑顔。日本ではなかなか見ることのできない種類のスマイルでしょう?
彼の名前はラケッシュ。このカフェのおもてなしはインド菜食料理で、デリーのホテルのレストランで働いていたラケッシュ君がシェフをつとめているのです。
女性作家は繭から糸を紡ぎ、機でゆっくりと織り上げて、草木で染め、一枚の布に仕上げていきます。その色の中に、インドでしか出せない色、沖縄・西表島でしか出せない色があるので、たびたびインドや西表島に出向いているおり、そんな道中にラケッシュ君と出会ったのだそうです。
ラケッシュ君の菜食料理のレパートリーは幅広く、日によって北インドのカレーと手作りナンが登場したり、南インドのカレーとドサが登場したり。かつてインド最南端の港町で子ども時代を過ごした私は、日本ではまだ数少ない南インド料理に対面して感激しました。
私が訪れた日のセットメニューは、ドサ(米粉で作ったクレープ生地の中に、マサラ味のジャガイモの具を巻き込んだもの)、サンバル(南インドの野菜カレーのこと。この日はレンズ豆入りスープカレー)、ワダ(これも南インド料理で、豆をつぶしてフライにしたもの。この日はウラッド豆のフライでした)、そしてサラダ。気取らない家庭料理ですが、一品一品がていねいな手作りで、とてもおいしい!
食後にいただいたチャイも濃厚で、ほの甘さの中からジンジャー、カルダモン、フェンネルが魅惑的に香る逸品。でも、お料理もチャイもおいしいとラケッシュ君に告げると、こんなことを言うのです。
「僕のお母さんの料理が一番おいしいです」
家族思いの彼は、毎年2月と8月に1ヶ月ずつ、インドの家族のもとに里帰りします。このカフェのことは2月にAll About カフェでお伝えしますね。








