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2009年12月18日(金曜日)

自分を磨く前に、部屋を磨く

クラシックの演奏家がインタビュー番組に出演した際に「留守のあいだ、部屋にCDでグレゴリオ聖歌かなにかを流しておく」と話した言葉が、もうずいぶん長いこと私の記憶にひっかかっていました。
「音が部屋の空気を洗い清めてくれるから」と、演奏家は語っていました。

そのせいなのでしょう、Web上で偶然に「場の空気を浄化する音」が入っているというCDをみつけ、面白がって注文してしまったのは。

届いたCDに録音されていたのは、音叉を打ち鳴らす不思議な音の数々でした。もともと耳を傾けて聴くつもりはなく、BGMがわりに何気なく流していたのですが、その翌日、どういうわけか大掃除がしたくてたまらなくなってきたのです!

そうして2週間以上にわたり、10年に1度というレベルの大・大掃除が始まってしまったのでした。

毎日、とりつかれたように押し入れの中のものを全部出して、消臭抗菌剤「ミラクリーン」を盛大にスプレーし、押し入れの中に空気清浄ファンを入れて風をあてたり。
家に7つある書棚の本を全て床に積み上げ(恐ろしい惨状を呈しました)、千冊以上の本を処分したり、ベランダに熱湯をたっぷりまいて、デッキブラシで磨きあげたり。

私は旅や取材に出かけたり本を書いたりするので、たまにエネルギッシュな人と誤解されることがあるのですが、それらはあくまでも特殊な非日常。日常はいつもだるくて、すぐに疲れて横になってしまうたち。基本的に、ベッドに本とコーヒーを持ちこんで日々を過ごしている怠けものなのです。

091218kawag.jpgですから、この長期的徹底掃除のそれはそれはつらくて楽しいこと! 毎日、家具を大移動するおかげであちこち筋肉痛になるし、2週間以上、家中が倉庫のような状態で、精神的にも体力的にもへとへと。

しかし、なぜか「このままでは新しい生活が始められない!」という衝動に動かされて、掃除を続けないわけにはいかなかったのです。もはや魂のレベルで浄化とすっきりした環境を欲していたのかもしれません。

努力したぶんだけ、住まいがきれいになっていくのは爽快なこと。薄くほこりをかぶって存在を沈み込ませていたモノたちが、本当に輝きを放っているのです。

本棚の奥からは、かつて掃除意欲をかきたてるために買った本が何冊も発掘されました。ここに挙げた2冊はもうずいぶん昔のもので、いまやこの分野の古典となっていますが、再読するとやはり掃除心が刺激されますね。

『ナチュラルクリーニング』には化学物質を使わず、重曹とお酢を使いこなしてハウスキーピングをおこなうレシピが満載。

カレン・キングストンの『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 』は、日々たまっていくガラクタをエネルギーの停滞と位置づけ、部屋をすっきりと整理することで、いらないものがいっぱいで身動きのとれなくなった人生に、気持ちのよい新しいエネルギーを呼び込もうというもの。

どちらも、もはやすっかりおなじみのレシピ&考え方ですが、ページをめくるそばから、適当にモノを押し込んでしまった戸棚の奥が気になりはじめるという影響力を持っています。大掃除をしなくちゃいけないんだけど、面倒でやる気になれない…という人には、この手の本の一読をご提案します。

そして後日、友人に教えられて知ったこと。私が空気清浄音楽のつもりで購入したCDは、一部の人々のあいだで、掃除がしたくなるCDとして知られていたのです!
最初からそのつもりで購入した人の中には「掃除したくならない」と不満げな反応もあるようですが、少なくとも私には恐るべき一撃をもたらしてくれました。


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