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2010年01月29日(金曜日)

縁起ものは駄洒落である

100129kawg.jpgお財布は春に買うとよい、なんて縁起担ぎをご存じでしょうか。春、すなわち立春の2月4日から。

春は「張る」に通じるというわけで、春財布=張る財布。たっぷりのお金に恵まれて、お財布が大きく張るのだそうです。
私はとんと知らなかったのですが、友人いわく「あーら、常識よ(笑)」

ただの駄洒落でしょと笑う私に、風水的な根拠があるのだと主張する友人。

考えてみれば、縁起ものはみな洒落ですね。おせち料理が良い例です。まめで暮らすようにと黒豆。よろこぶにかけた昆布巻。きんとんは漢字で「金団」と書いて財宝を表すのだとか。鯛も、めでたい。

友人は来週、立春の日にお財布を新調するつもりだそうです。秋に買うのは「空き」に通じ、お財布がからっぽになるので好ましくないとか。

でも、そんな洒落でいいのだったら、冬のお財布だって「富裕」に通じるから縁起が良さそうですよね! そして夏のお財布は「放つ」に似ていて、お金をどんどん解き放ってしまいそう。

つまらないことを考えて遊んでいたら、友人に「春財布のありがたみが薄れてくるような気がするから、もうやめて」と、いやがられてしまいました。

嘘かまことか、お財布もふくめて、新しいものは「寅」の日に使い始めると開運招福の力が強まるのだそうです。ちなみに今年の2月の寅の日は、2月9日と21日。花粉症の人などは、この日にマスクを買って使い始めると、気やすめにはなるかもしれませんね。

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2010年01月28日(木曜日)

サロン・デュ・ショコラ2010

20100127shimoi.jpg伊勢丹新宿店でサロン・デュ・ショコラが昨日から開催されています。もう行かれた方はいらっしゃいますか?

サロン・デュ・ショコラでは、来日されているジャック・ジュナン氏(写真中)とお話できたことが一番嬉しかったです!

ジャック・ジュナン氏はメゾン・ド・ショコラの元シェフパティシエでジョルジュ・サンクやル・ムースリーなど一流ホテルや三ツ星レストランにコンフィズリーを卸されています。

2008年には自らの名前を冠したサロンをパリにOPEN。また現在もロブションなどパリの名高いレストランにコンフィズリーを卸されているそうです。

2004年当時、三ツ星レストラン「ル・サンク」で、食べたデザートがどれも美味しく、食後の小菓子のワゴンで選んだ、パート・ド・フリュイがとても美味しかったのを覚えています。(写真下)

そこで、ジャック・ジュナン氏に「2004年頃、ル・サンクにパート・ド・フリュイを卸されていましたか?」と質問したところ、まさにその通り!「パート・ド・フリュイも、ギモーブも色々卸してたよ」とのこと。6年ほど前にパリで感動した味に再会できて嬉しいです。

ネットでパート・ド・フリュイを注文したので、到着するのが今から楽しみです!もちろんショコラも♪

最終的に サロン・デュ・ショコラで購入したのは“セレクション オペラ”、“セレクション スペシャル” “ジャン=ポール・エヴァン×クリスティーヌ・フェルベールのコラボコンフィチュール”、“ジャック・ジュナンのパートドフリュイ”です。

そうそう、先週OPENした銀座めざマルシェも行ってきましたよー!
7Fの中国/四国地方のフロアで販売しているみかんジャム(元祖キリン堂)がお薦め!宇和島の温州ミカンを30個も使用しているそうです。 贅沢なジャムなのに550円という価格も良心的。

ちなみに…大変な混雑なのか、入口の1Fからエレベーターで10Fまで上がったら、それからは非常階段で上り下りするという動線になっています。私は、10Fから5Fまでいって、それから13Fのカフェに非常階段でのぼったのですが、息が切れちゃいましたよ~。ふぅ。
日ごろの運動不足のせいかしら?再訪したいけど、次回はもう少し空いてからにします。


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2010年01月25日(月曜日)

小さな煎茶碗

2010-1-25-staff-yoda-2jpg.jpg小さな煎茶碗をみると、子供の頃を思い出します。

近所には祖母の〝茶飲友達〝が多くいて、私が小学校から
帰宅すると毎日のように祖母はお茶会を開いていました。
子供心にこの小さな煎茶碗がまるで、おままごと道具のように
思えて私もその団欒に混じっては甘い煮豆やお菓子とお茶を頂くのがとても楽しみでした。

祖母が幾つも集める急須のコレクションは決まって赤い土の
物でした。
後にそれが常滑焼だと知るのですが、その頃には既に祖母も
他界して幾年もたっており幼少時代の私の思い出もぼんやりと薄れかけていました。

今年になり、古い納屋からその小さな煎茶碗や菓子皿たちを見つける事になるのですが、時は30年以上もたっておりすっかり骨董化してるかのようでした。

九谷焼と記されてあるその器は祖母が使わなくなった時から時もそのまま止まっていたかのように見え、ゆっくりと眠りから覚ますよう丁寧にひとつひとつ拭きながら外の世界へ出してあげました。

お茶請けの甘味の煮豆。
あの味も懐かしく、さっそく花豆の実を貰い東京でも自分で煮てみました。
やはり祖母の煮た甘い煮豆の味にはなりませんでしたが、せめてこの小さな茶器でお茶を頂くとなんとなく心が落ち着きやがて穏やかな気持ちになってゆくのを感じるのです。


 

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2010年01月22日(金曜日)

カフェの名前、さまざまな由来

100122kawag.jpgお店の人に、店名の由来を訊ねるのが好きです。

シンプルに自分の名前や街の名前をつけたお店。考え抜いて、意味の深い名前をつけたお店。逆になるべく意味を持たせないようにして、語感を第一に名づけたお店。どの名づけ方式にも、お店をつくる人の考えがのぞいていて興味深いのです。

最近ちょっと感嘆した店名といえば、水道橋にある「食堂アンチ・ヘブリンガン」。一度聞いただけでは覚えられないし、いったい何のアンチなのかと首をかしげますよね。

ご主人に尋ねたら、なんと小津安二郎の映画『秋日和』に登場する丸薬の名前だそうです。大正時代に田口参天堂(現在の参天製薬)が大ヒットをとばした風邪薬がヘブリン丸
ユニークな店名には、健康的なごはんで体の調子を整える食堂、という意味がこめられているのですね。まいりました。

素敵に洒落が効いている例としては、西陣にあるles trois maisons(レ・トロワ・メゾン)。拙著『京都カフェ散歩』でもご紹介しましたが、築80年になる町家を再生し、2階は旅館に、1階はカフェと、町家らしい長い土間を抜けていくギャラリーに仕上げています。

旅館・カフェ・ギャラリーの3つの空間が集まっているからトロワ・メゾン(3つの館)と名づけたのね…と思いつつ、ふとお店の入り口に残されている往年の住民の表札を見あげたら、なんと表札の名は「三宅」さん!

そして今週、すばらしいなと思ったのが吉祥寺にオープンした八十八夜。東京カフェブームのトップランナーのひとつだった高円寺の名店here we are marble!が、開店10年を経て吉祥寺につくりあげたお店です。

立春から数えて88日目の八十八夜は、農業をいとなむ人々にとっては大切な種まきの日。お茶畑では茶摘みの日。そしてまた、「八十八」という漢字を組み合わせると「米」という字! 日本の米やお茶や野菜たちにとって、八十八夜はスペシャルな日なのです。

その八十八夜を店名に冠したカフェでは、銀座の高級レストランにも野菜を提供している青果店「築地御厨」の内田悟さんから素材を仕入れ、そのおいしさを活かした「日本のごはん」の数々を楽しませてくれます。

野菜だけでなく、お肉も魚もお酒も豊富な八十八夜のメニューを読むのが楽しいこと! 土鍋で炊くごはんの銘柄も、塩の種類も自分で選べるのです。

堅苦しさもストイックさも全くないけれど、食の意識の高い人々を充分に満足させる、素材力のあるお料理が勢揃い。ランチをいただきに行ったのですが、夕方からのグランドメニューに魅了されて、さっそく夕食の予約を入れました。

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2010年01月21日(木曜日)

東京最新スイーツ150

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少し海の香りがする南風が吹き、暖かいですね。
こういう気候になると、ますます春が待ち遠しくなります。

今発売されている東京ウォーカーはスイーツ特集「世界一のおいしさ♪「東京最新スイーツ150」。
その中でスイーツ賢者として、東京で購入できるロールケーキなどスイーツや2010年流行るスイーツについて座談会形式でご紹介しています。

撮影時の座談会では、下園昌江さんスイーツ番長平岩理緒さん、矢都木二郎 さんの5人で集まったのですが、知っている方々だったということもあり、時間を忘れてしまうほど楽しいスイーツの会になりました。
掲載された内容以上に色々お話したので、録音しておきたかったくらい濃い内容でしたよ。スイーツ好きは、みなさん良い方ばかりです♪

また別の日には、東京ウォーカーの編集に携わった方々皆で恵比寿にある「俺のハンバーグ山本」でチョコレートをデミグラスソースに使用したハンバーグをいただきました。(写真下)シェフからお話を伺ったところチョコレートはデミグラスソースや味噌、ひき肉との相性がよいそうです。なるほど!という楽しい味わいでしたよ。“メシチョコ”というテーマでチョコレート+料理が定着しそうです。

特集の一つ「サロン・デュ・ショコラ」も来週水曜日27日から開催されます。
毎年売り切れするほど人気のショコラが、開催前日の26日(火)から伊勢丹のアイカードを持っている方対象に先行発売。

また昨日20日から、伊勢丹のオンラインショップでも予約購入できます。
私も早速購入しましたよー。

どれにしようか迷ってしまいますが、購入したのはセレクション オペラ と、今年初登場のジャック・ジュナン氏のパート・ド・フリュイです。他のセレクション・ボックスは残念ながら売り切れ…。早いなぁ。

個人的に注目なのがジャック・ジュナン氏。メゾン・ド・ショコラの元シェフパティシエでジョルジュ・サンクやル・ムースリーなど一流ホテルや三ツ星レストランにコンフィズリーを卸されていました。現在パリに自身の名前を冠したお店をOPEN。

ジャック・ジュナン氏のパート・ド・フリュイは果汁よりもジューシーと言われるほど。東京ウォーカーの編集の方も「最高に美味しかった!」とおっしゃっていたので即購入。家に到着するのが、今から楽しみです♪

そうそう、明日は銀座めざマルシェがOPENします。これまた話題になりそう。

*本日発売の週刊文春のカラーページ「おいしい!私の取り寄せ便」でお薦めのお取り寄せスイーツをご紹介しています。

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2010年01月19日(火曜日)

蒸し鍋&保存食

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寒い日が続きますね。
今は世界各国で大寒波と聞きます。私も去年までは寒さなんて!と思っていましたが、今年はヒートテックを上から下まで揃え、ざっくりニットを購入し寒さ対策は万全です。そういえば、少し前にテレビを見ていたら、一番寒がりな県は「秋田県」と言っていました。寒いところにいても、寒さに慣れるなんてことはないんですね。

そんな寒~い毎日には蓋を開けたとたんにふわっと湯気が舞う、温かい蒸し鍋をよく家でやっています。欲張りな私はたっぷりと野菜とお肉を入れるため、写真のようにぎゅうぎゅう。必ず入っている野菜は、今までしょうがなく食べていたはずの「人参」。蒸すとやわらかくて味が濃くって美味しいんです。スノコのある蒸し鍋なので、水をひいて火加減もあまり気にせず、他の準備をしている10分ほどですぐに出来上がってしまいます。「切って、盛って、蒸す」手間はこれだけなのに、食べた後の満足感はとっても大きいんですよね。週に一度は蒸しているので、私の習慣になりそうです。
■使ったお鍋はこちら→「スチームポット

人参を少し克服したところで、実は食わず嫌いだった「漬物」に昨年から少しづつチャレンジしています。今まで苦手だったのは自分に合った味を見つけられていなかったからだと気づきました。カズノコのわさび漬けもごぼうの浅漬も野沢菜漬けも、写真にはありませんが、岩手の祖母がつくった茗荷の味噌漬けも、私の好物になりつつあります。お漬物は、保存食!味噌でストック、塩でストック、お酢でストックと、肉でも野菜でも試してみます!
■使った器はこちら→「KAHLA」です。白い器でも動きのあるものなので、器を重ねたりするだけで、ちょっと見映えがします。

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2010年01月15日(金曜日)

花の顔は太陽を向いている

春の終わりに新しいカフェの本を出すことになり、今月はずっと都内のあちこちのお店を取材して回っています。

取材も写真も文章も自分ひとりで、というのが私のいつものスタイル。一般的な取材はカメラマンと編集者が同行することが多いので、お店のかたに「おひとりですか?!」と驚かれることもありますが、それも慣れてしまいました。

100115kawag.jpg手袋をしていても指先がかじかむ夕方--それはこの冬いちばんの寒波と雨が街を包みこんだ日のことですが、取材先の静かなカフェで、心に残るお話をうかがいました。

お店のあるじの本業はフラワースタイリスト。ひっそりと美しいカフェでは、定期的にお花の教室も開かれています。

お店に配達されてくるたくさんの花材は、すべて那須で無農薬で育てられたものだそう。なるほど、一般的に出回っている花々は、この国の野菜と同じように農薬をスケジュール通りにまき、規格通りのサイズに育てられるのだ……と、私は初めて気がついたのです。

那須には、無農薬で草花の露地栽培をしている若者がいるのだそうです。彼らはかつて花市場で働いていたのですが、農薬を浴びた花々を毎日大量に扱っているうちに体調を崩してしまい、那須に移住して自分たちで栽培を始めたのだとか。

市場に出荷される花々はまっすぐに上を向いていますが、露地栽培された花々は、右を向いたり左を向いたり。時として曲がりくねったり。

「自然に育てられた花の顔はみな、太陽のほうを向いているんです」
カフェのあるじがそう教えてくれました。

「だから1本ずつ表情が違います。お花の教室で生徒さんたちにお伝えするのも、まず、花の顔をよく見て、どの向きが正面なのかを知るということ。どんなふうに育ったのか、その花がはえていた場所や風景を想像してみてくださいって」

彼女が用意する花器は、もとは古びた黒い汁鍋だったり、たっぷりとお総菜が盛りつけられたであろう大きなうつわだったりの、飾り気はないけれど豊かな質感をまとった古道具たち。そんな生活の道具がたどってきた小さな物語も、あわせて生徒の方々にお伝えするんですよ、と彼女。

手に取った1本の花を見つめて、ここにやってくるまでの花の時間を考えること。そんな視線は、彼女がご主人とていねいにつくりあげた空間のすみずみにいきわたっていました。

その夕方聞くことのできた、心を柔らかくするたくさんの小さな物語。受け取った私は、それをどんなふうにほかの人にお伝えできるだろうかと、考えつづけています。

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2010年01月14日(木曜日)

美肌フカヒレ鍋

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「今年の冬は暖かいわ♪」と思っていたのも週末まで。
やはり、冬は寒いものですね…。

寒くなると、体が芯から温まる鍋が食卓に登場する頻度も高くなります。友人宅でのホームパーティーでも鍋を囲んでにぎやかに楽しんでいます。

ちなみに最近、自宅では鍋の〆をラーメンにしています。

…私、ラーメンが好きなもので特に無化調(化学調味料無使用)のラーメン屋めぐりをしていました。個人的には…はやし(渋谷)、渡なべ(早稲田)が好みです。ラーメンと一口に言っても、B級グルメとあなどってはいけない深い美味しさです。

鍋の後のラーメンのために…自家製チャーシュー、味付け卵、焦がしネギ、煮干しの粉、海苔など用意し、〆のラーメンを楽しんでいます。鍋はもはやラーメンを食べるための前菜状態です。

でも家では、どうしても真似できない鍋がありますよね。その一つが火鍋。

先日、友人と打ち合わせがてら恵比寿にある火鍋のお店「笑龍」に行ってきました。

女子同士ということでオーダーしたのが「美肌フカヒレ鍋」。
コラーゲンが豊富に含まれているフカヒレがたっぷり!さらにコラーゲの吸収を活かすように生薬(高麗人参、はと麦他)が調整されているそうです。

中医師がメニューを監修し、野菜ソムリエがプロデュースしているそうで、産直野菜は新鮮そのもの。具材も豊富で茶樹キノコ、紅芯大根などなど、珍しい野菜も多く、これだけ色々な種類の野菜を食べることができるのも魅力。

2種類のスープはマイルドで食べやすく、好みでブレンドしながらいただくのも楽しい。
また飲み物も体に優しいお茶や漢方のお酒などが豊富にあり、色々試したくなります。

そして極めつけは美肌効果も期待される白燕の巣がはいった、デザート「楊貴妃杏仁」。果実酢のゼリーも添えられ酸味がプラスされ爽やかな味に。白燕の巣の独特な歯触りを楽しめる、なんとも贅沢なデザートです。

食べ終わった後は、体がホカホカ。翌日のお肌は、プリッとしたような?
店内が女性のお客様でいっぱいなのも頷けます。

恵比寿駅から徒歩2分くらいと、便利な立地ですから寒い今、お店まで歩く時間も少なく嬉しい。これからの季節、重宝するお店です!

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2010年01月12日(火曜日)

あこがれの茶箱

tea2.jpgあけましておめでとうございます。
今年も残すところあと353日。
末永くご愛読のほどよろしくお願い致します。

さて、正月気分はすっかり抜けきったのですが、まだ年末年始の暴飲暴食の後遺症をしっかりと胃腸に感じる今日この頃。普段はコーヒーを朝夕問わずのみまくっている私ですが、胃腸を労わって、今日は中国茶を飲むことにしました。
最近愛用しているのがこちらのチンシャンの茶器です。
こちらの茶箱に入れて収納しています。お弁当箱ではありません。あこがれの茶箱です。
(本当はお弁当箱ですが。。。)
そして時々取り出して、ちびちび中国茶を楽しみます。
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6月に岐阜へ行った際、ギャルリももぐさという森の中のギャラリーで茶箱展をみました。何人かの工芸家、作家さんたちが、こだわりの旅持茶箱を披露する展覧会で、それぞれのこだわりの茶器が勢揃いでした。お弁当箱のような小さな箱にコンパクトに納められた茶入や急須や茶托は、どれもミニチュアのおもちゃのようなサイズですが、使い勝手は抜群で、機能と美しさを兼ね備えた立派な道具たちでした。気軽にどこへでも持ち運び、喫茶にふさわしい場所をみつけたら、その空間が茶室と化すのです。皆さん骨董屋でひとつひとつ集めたり、知り合いに譲ってもらったり、自分の手で作ったり、そうしてできた自分だけの茶箱を、大切に使っているようです。その個展をみてから、私はすっかり茶箱にあこがれてしまっているわけです。

やはり道具は大事に使われてこそ、その良さが見えてくるものだと思うのです。
改めてそう実感したのは、最近もらったあるプレゼントがきっかけでした。
先日、珈琲をドリップするための銅製のポットもらいました。譲ってくれた方が長年愛用していたもので、大事に使われていたのがひとめでわかりました。同じものの新品を店でみましたが、これがぎらぎらしていて全く面白くないのです。使い込まれた銅の鈍い輝きは、長いときを経てこそ生まれた美しさでした。たかがものではありますが、歴史が刻まれた道具に、またこの先自分の歴史が重なっていくと思うと、心して大事に使っていこうと思いました。

私の茶箱も、この先年輪が刻まれ、新たな仲間を加え、どんどんにぎやかになっていくでしょう。それを楽しみに今日もちびちびお茶を飲みます。


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2010年01月08日(金曜日)

京都の朝食:すっぽんの小鍋仕立て

100108kawag.jpg(写真左は京都ホテルオークラのロビー。柳の枝に紅白の小さなお餅をさした「もち花」が、年末年始の華やいだ空気にいかにもふさわしく思われました)

午前の冴えた青空は、冬の大きな魅力のひとつですね。研ぎ澄まされた青さが、気持ちの澱をぴかぴかに洗い流してくれるようです。

皆さまはどんな新年を迎えられたでしょうか。私は年末に家族で4日ほどの京都旅行に出かけました。

ずっとホテルオークラに滞在していたので、そのうちの1日は朝食をオークラ6階の京料理・入舟に予約して、名物のちょっと贅沢な「すっぽん小鍋こだわり朝食」をいただきました。
(宿泊客以外でも楽しめます。3日前までに要予約、1人5,775円)

鳩羽色の和服を着た女性スタッフに案内されたのは、靴を脱いであがる個室のお座敷。畳の上にテーブルと椅子というしつらいは、京都の古いお寺の一室などでもよく目にしました。
窓からは日本庭園の緑が見えて、落ちついた雅な朝食……のはずが家族旅行の常で、ちょっとばかばかしい会話が交わされることに。

「すっぽんに噛みつかれないように注意しなさいと、姉に言われてきたの」
などと言い出すのは母です。
母とその姉はとても仲良し。私が旅行前に電話して「朝食にすっぽん鍋を予約した」と母に知らせるやいなや、姉に報告したらしいのです。

「おかあさん…生きたまま食べるわけじゃないから」
「あら、そうよね」

写真右の一番上が、そのすっぽんの小鍋仕立て。手前に写っている黒っぽくてゼラチン状のものがすっぽんの一部です。
ネギの下にもたっぷりとすっぽんのお肉があり、どうやら一口食べて「気味の悪い食べもの」と判断したらしい母は、目をつるぶようにして、あまり噛まずに大急ぎで飲みくだしておりました。

100108kawag2.jpg冬の朝のすっぽんのぽかぽかと温まること! 
そして、おもてなしの細やかな心くばりが嬉しいのです。お味噌汁が赤だし・田舎味噌・白味噌の3種類から選べたり(うちは4人とも嗜好が違うので、てんでに注文してみたところ、3種類それぞれに具も違っていました)、海苔を自分好みに炙れるようにと七輪が用意されたり。

以下がこの日の朝食のメニューです。

【小鉢2種】 蟹とキュウリの土佐酢、胡麻豆腐とウニ
【佃煮】 自家製じゃこ山椒煮
【焼魚】 まながつお塩焼き 堀川牛蒡
【小鍋】 すっぽんの小鍋仕立 焼栗麩 九条ネギ
【玉子】 だし巻玉子と大根おろし
【焚合せ】 かぶら蒸し 鯛 ぎんなん 
【味噌汁】 赤だし・田舎味噌・白味噌の中からお好みでひとつ
【焼海苔】 生海苔 
【御飯】 釜炊き魚沼産コシヒカリ
【香の物】 京漬物盛り合わせ
【水物】 季節のくだもの

ごはんは真っ黒な土鍋ごと運ばれてきました。土鍋炊きのごはんのお味は格別。土鍋の底までしゃもじを入れると、みごとなおこげができていました。

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