カフェオーナーに聞く、ピンチ克服法
10年近く前でしょうか。私が雑誌でライターの仕事を始めたばかりの頃、ある人気カフェのオーナーにインタビューした折に「ひとの本質を知る手がかり」を教えていただいたことがあります。
彼はスタッフ面接のとき、たくさんの人々に同じ質問をするそうです。
「あなたの人生のピンチは何でしたか。どうやってそれを乗り越えましたか」
どんな答えが返ってくるかで、相手の人となりがよく見えるんですよ、と彼はにこやかに言いました。そんな彼からは、優しさと関西出身の人らしいサービス精神と、同時に厳しい姿勢が伝わってくるようでした。
それ以来、私はカフェの取材中にときどき思いついて、オーナーに「人生のピンチを乗り越えるための言葉はありますか?」などと訊ねることがあります。(けっこう勇気が必要です)
たいてい、相手は目を丸くします。それはそうですよね。カフェの取材でそんなことを聞かれるとは予想されていないでしょうから。
「ピンチ?!…ないなあ」
そうおっしゃったのは、先日インタビューさせていただいたカフェブームの仕掛け人と呼ばれる人。
もっとも、本人は「誰が仕掛け人なんて言い出したんでしょうね」と笑っているし、私もブームが最高潮の頃、その人が雑誌の取材などで、いささか迷惑そうに「うちはカフェじゃない」と何度もコメントしていたのを記憶しています。
当時なぜそういう発言をされたのかなどについて質問しつつ、ふと思いついて、ピンチ克服法についてもお尋ねしてみたのでした。
「僕はいつも楽観的なんですよ。だいたい、ピンチも何もかも全部、自分で招くものでしょ」
ああ、その考え方にはとても共感します。そして彼は、強いてあげるとしたら、人生の座右の銘は「コーヒーを飲もうか」だと教えてくれました。
ピンチだと思ったら、まずコーヒーを一杯。浮き足だっていると、すぐそばにある解決のヒントも見えなくなってしまいますからね。素敵な座右の銘です。
そんなわけで、今日はすでにコーヒーを4杯も飲んでいる私です。原稿が進まなくて大ピンチなのです…。








