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2010年03月12日(金曜日)

カフェごはんの進化

100312kawag.jpgほとんど10年ぶりくらいに訪れたカフェで、お料理がめざましい進歩を遂げていることに驚きました。

たしか初めてそこで食べたメニューは、いかにも当時のカフェらしいワンプレートのごはん。ああ、まだまだプロの水準には達していないなと嘆息しましたが、あえておいしくないとは口にしませんでした。

なにしろ、それは本当に東京でカフェがよちよち歩きを始めた時期。私は、立てるようになったばかりの子どもに「なんて歩くのが下手なの!」と声をかけたら歩くのをやめてしまうかもしれない…という恐れを感じていました。

そのころ喫茶店という文化は、全国にチェーン展開する安価なコーヒーショップの陰で、ほとんど滅びかけていました。街角に憩いの場所が失われるのを危惧していた私にとって、カフェは豊かに育ってほしい大切なものでした。
だから、どうか成長してくださいという願いをこめて、『北風と太陽』方式で見守っていきたいと思ったのです。

何かが流行しかけているときには、必ず多数の反対派、否定派を生み出すものです。カフェめしという生まれたてのキーワードは、当然のように「カフェめしなんて、まずくって…」というコメントを量産していきます。
実際には食べたことのない人まで、そう非難していたような気がするのですが、私の邪推でしょうか(笑)

その批判は半分は当たり、半分ははずれでした。最初からしっかりしたおいしい料理とコーヒーを提供していたカフェはちゃんと存在していましたから、何もかも一緒くたにして「まずい」と断言してしまうのは乱暴すぎますよね。

流行は必ず終わるもの。カフェをもてはやした雑誌たちは「カフェブーム終了宣言」という見出しを大きく掲げましたが、実際にはそれはカフェが消えたという意味ではなく、流行を超えて街角に定着したことを表していました。

もちろん、稚拙さゆえに閉店したカフェは数え切れないほどあります。しかし、定着したカフェは試行錯誤を重ねながら、日々、こつこつと小さな進化を重ねていました。お客さまからは決して見えないところで繰り返される努力と失敗の数々。

いまや、高級レストランで活躍してきたシェフがカフェのキッチンに立つ時代。飲食店としての水準は飛躍的に上がったように思えます。

そして10年ぶりに訪れたカフェで、自家製のパンと、チキンのデリサラダが、かつてのワンプレートごはんとは比べものにならないほど上等になっていることに目を丸くしたのでした。
ここにもやはり、10年分の地道な努力があったのです。


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