『FUTENMA360°』フテンマ:ようこそ、ドーナツタウンへ
今年の春、辺野古と並んで日本で最も話題にのぼった地名のひとつは、「フテンマ」だったかもしれません。アメリカ国防長官自身が「世界一危険な基地」と語った普天間。
私はその街の風景に、平均的な東京人よりもかなり多くの親しみと、それから不思議な感情を抱いています。何度も訪れたCAFE UNIZON(カフェユニゾン)はまさに普天間にあり、窓の外にはキャンプ・フォースターがひろがっているから。
先日、CAFE UNIZONから一冊のスペシャルなビジュアルブックとともに、こんなお知らせが届きました。
ようこそ、ドーナツタウンへ
米軍普天間基地を抱える、宜野湾市の素顔と魅力を
そのままに伝えるタウンブック『FUTENMA360°』が
完成しました!
なぜ360°かって? それは宜野湾市をドーナツに見立てているから。もちろんドーナツの中心の穴は、一般人立ち入り禁止の普天間基地。
中心が空洞になっている都市といえば、どうしたってロラン・バルトが綴ってみせた「皇居=不在の中心」を抱く東京を思い浮かべてしまうのですが、宜野湾市においては、ドーナツの穴は意味不在の空虚な中心どころではありません。
この本は、ドーナツである宜野湾市を「世界でも珍しい円環都市」と呼び、単に基地の街だけではない、フォトジェニックで多様な魅力を紹介する刺激的なタウンブックです。
(ページ見開き写真。首を90°かたむけてご覧ください)
秀逸なのは、現実の普天間に向けてシャッターを切りながら、それをリミックス、リデザインした仮想の完全円環都市「フティーマ」の絵地図として呈示しているところ。
※「フティーマ」とは、米兵たちによる普天間の異称だそうです。
基地のフェンス沿いに散歩する「フェンス・トレイル」、洞窟や森にひそむウタキなど、仄暗い異界に通じる「精霊指定地区」、迷路のような旧市街、アメリカの中古家具屋や雑貨店が並ぶオールド・アメリカン・タウン・・・一冊に凝縮された写真と文字の情報量は圧倒的!
たとえばいま、任意に開いた旧市街のページ「アコークローの街」の写真には、こんな言葉が添えられています。
「アコークロー」とは、「明るい暗い」。
つまり、夕陽の差し込む黄昏どきを表す沖縄語だ。
古き良き昭和の面影を湛えるこの街には、
そんな黄金色の色合いがよく似合う。
「イチャリバ・チョーデー(出会えば、みな兄弟)」
という言葉を実感できるのも、この街だろう。(後略)
「仮想都市「フティーマ」を紙上でぐるっとひと巡りするショートトリップ。本書はそれを通して、宜野湾の「今/現実」を知るガイドブックであり、来るべき基地返還という「未来/希望」へ向けたロードマップである」
本の詳細はこちら。唯一無二の宜野湾市ガイドブックとして、沖縄好きのかたはぜひお手元に。『FUTENMA360°』と『表徴の帝国』を同時読みするというのも、クールな楽しみ方かもしれません。


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