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2010年11月19日(金曜日)

渋谷「八竹亭」のおじさん、カフェに行く

かつて渋谷にあった定食屋「八竹亭(はっちくてい)」は、界隈の人々にとっては有名なお店だったよう。ポイントは、鮭のバター焼き定食をはじめとする直球のおいしさと、店主の独特なキャラクター。

煮ても焼いても食えないおやじである。
無愛想で「いらっしゃいませ」も言わない。
でも、ごはんはどんぶり一杯の大盛りで気前がよかった。

…などと、じつにさまざまな言われようですが、お店の場所がフジテレビのドラマ収録をおこなっていた渋谷ビデオスタジオ(取り壊されました)やNHKに近かったことから、八竹亭に足繁く通ってきた有名人は多数。

たとえば、演出家の蜷川幸雄や木村拓哉。彼らは納豆を用意してくれるよう八竹亭のおじさんにお願いしていて、木村拓哉はお店に来ると勝手知ったるようすでカウンターの中に入り、冷蔵庫を開けてマイ納豆を取り出していたそうです。

101119kawag.jpg先日、私がその元・八竹亭のおじさんから聞いた話。
「渋谷警察署から感謝状をもらったことがあるんだよ」

女性の飛び降り自殺をとめたんだそうです。道を歩いていたら、ふと、ビルの4階の窓から女の人がぶらさがっていることに気がついたとか。
おじさんは4階に急行して女性の腕をつかんだものの、
「重いんだよね、女の人でも。支えていることはできるけど、引き上げられないの」

というわけで、通りかかったもう一人の助けを借りて無事救出!

後日、渋谷警察署から感謝状をさしあげたいと連絡がありましたが、「取りに行かなきゃなんないなら、いらないよそんなもの」…といかにもおじさんらしい反応。警察の人がおじさんの家に感謝状を持ってきたそうです。

それだけなら「なるほどよかったね」という単純なお話ですが、このエピソードには「あらゆる行為はまわりまわって自分のもとに帰ってくるもの」と納得するような後日談があったのです。

後年、おじさんは渋谷の交差点で大きな交通事故に遭ってしまいます。頭蓋骨を複雑骨折する重症。
駆けつけた救急車の隊員が偶然にも八竹亭のお客さまで、倒れているおじさんの顔を見るなり、「あっ、八竹亭のおじさん!!」

そして、救急車がすばやくおじさんを運び込んだ病院の当直の医師というのが、またもや八竹亭のお客だった人。患者の顔を見て、「あっ、八竹亭のおじさん!!」

運の良いことに、当直にあたっていたその先生は脳外科の権威。事故発生から1時間後には、おじさんはもう手術台の上で名医の執刀を受けていたのです。おかげで後遺症もまったくないとか。

ふたつの話を聞いた人が言いました。「おじさん、これでちゃらだね」

* * *

時代に流れに取り残されたせいか、やむなく八竹亭を閉めることになったこのおじさん。本名は江尻さんとおっしゃるのですが、今年70歳。

閉店後はどこにも行き場がなかったはずなのに(住まいは店舗とセットで借りていたから、もう暮らす家さえなくて困るという状況だったようです)、とてつもなく不思議なご縁によって、現在、渋谷の東急ハンズ近くの細道にオープンしたカフエマメヒコ・パート3で、とんかつを揚げています!

おじさんが亡くなったと思って悲しんでいる八竹亭ファンの皆さま、ぜひ再会しに行ってみてくださいね。おじさんは元気です。とんかつを揚げていないときは、糸の切れたあやつり人形みたいですが…。

カフエマメヒコ・PARTⅢ 東京都渋谷区宇田川町38-1  エランビタールフクシマビル3F
TEL 03-3780-0045
OPEN 喫茶11:00~23:00、とんかつ14:00~23:00

(なぜ、おじさんがカフエマメヒコに?!というお話は、今月中にAll About[カフェ]の記事でお伝えします。運命と呼ぶ人もいるし、私はカフェの天使がおじさんを導いたのだと思っています(笑)


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