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2009年04月05日(日曜日)

逃げるのをやめると、恐怖感が消えていく

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090405kawag.jpgきっと誰でも、「いずれは起きてしまうことだけれど、できればそれについては考えたくない」という将来の不安をいくつか抱えているのではないでしょうか。愛する人や家族の病気や死も、そんな漠然とした恐れのひとつですね。

お正月に大島の義父が脳梗塞で倒れ、ドクターヘリで23区内の病院に運ばれてきました。それまでの義父は私よりもずっと健康なくらいでしたから、本人にとっても家族にとっても、あまりにも突然のできごと。

食事も排泄も自分の力ではできず、水でさえ、とろみをつけないと飲み込むことができなくなってしまいました。これはまさに私が漠然と抱いていた「将来の不安」のひとつ。夫と私の生活も大きく変えざるをえないかと思われました。

これから、どうなっていくのだろう……最初の日はそんな考えが渦巻き、自分が立っている地面が消えていくような怖さの中にありました。考えはまとまらずにあちこち揺れ動き、無意識のうちに、どうしたらこの事態から逃げ出せるかしらと思っていることも。

でも、この事態をしっかり受け止めよう、自分にできることをしようと決めたら、不思議なことに恐怖感がすうっと消えていったのです。家族のみんながつとめて明るく、勇敢に対処していたことも大きな支えでした。

義父は3ヶ月の入院生活のあいだに、義母を中心とした家族のみんなに手厚く世話をされたおかげで、リハビリも順調に進み、先週、自分の両足で歩いて退院することができました。病院のベッドの上でたびたび恋しがっていた大島の自宅に戻れて、さぞ嬉しいことでしょう。

逃げまわるのをやめて、受け止めてしまえば、恐怖は消えていくもの。頭のどこかで逃げだす算段を考えるのに費やすエネルギーを、受け止めるエネルギーのほうに回せて、全力で向き合うことができるせいでしょうか。弱いと思っていた自分のなかに、意外な強さが隠れていることを発見したりもします。それを知ることができたのは、私にとって人生の大きな収穫でした。

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2009年03月27日(金曜日)

『ブイヨンの気持ち。』

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090327kawag.jpgほぼ日刊イトイ新聞のお楽しみ、「気まぐれカメら」コーナーの主役(?)、ブイヨンの写真を集めた本が生まれました。タイトルは『ブイヨンの気持ち。

この本のページにあるのは、一匹の犬と飼い主の幸福な日々。人と犬が信頼で結ばれて、お互いを大事にしながら暮らしている(犬だって、飼い主を大事にしますよね)、そのなにげない日常のすがたを見ていると、あたたかい気持ちがこみあげてきます。

季節や時間がくっきりととらえられていることにも驚かされました。たとえば雨降りの朝の感じとか、薄い光のさす早春の窓辺。暑すぎて本を読む気にもなれないような屋外、冷房のきいた室内の動かない感じ(きっとエアコンの音だけが低く小さく聞こえている)、夏の終わりに縁側にころがっているセミ。

『魔法をかけに』というページには、いちめんの枯葉を敷きつめた地面に木々の影が薄く長く伸びて、そこに小さくブイヨンがいます。そしてこんな言葉が添えられています。

  さぁ冬の中に 溶けていく。
  わたしは 冬だ。
  わたしは 白い息だ。
  春まで眠る木々に、
  魔法をかけながら駆け回るのだ。
  すきやき、かわはぎ、ポン酢、鐘。
  半月、謙遜、福寿草
                  (『ブイヨンの気持ち。』糸井重里)

感覚的な言葉が、みごとに写真と響きあっています。理屈で考えれば、1行目と2行目の話者は違うような気がするのですが、話者は「冬」でも「ブイヨン」でもいいんですよね。「腹話術している糸井重里」でもいいのでしょう。冬のぴんと張った空気、乾いた葉っぱの匂いがよみがえってきます。

何度見ても感動するのは、『朝』というページ。すがすがしい光のさしこむ窓にむかって、身を乗り出しているブイヨン。顔は写っていませんが、ぴんと立ったしっぽからも、ぴんと立った耳の影からも、表情がわかります。写真に添えられた言葉がまたすばらしいのです。

  いま 朝を迎えに行く
  犬が 朝を迎えに行く
  先に起きた太陽が
  運動している空に
  眩しそうな視線を投げかけながら
  犬が 朝を迎えに行くところだ
                  (『ブイヨンの気持ち。』糸井重里)

生きものの朝は、こうありたい!

300ぺージ弱の中には決してごきげんな日ばかりではなく、飼い主が疲れていたり、風邪をひいてだるそうだったりする日もあるのですが、犬のほうは毎日、朝がくれば散歩とごはん! 遊び疲れたら眠る! ボール投げしてもらったら嬉しい! おこられたら悲しい! という基本をいきいきとやりつづけています。

仕事や人間関係が複雑にもつれたとき、ブイヨンという生きものにどれだけ元気づけられることでしょう。そしてまた、人間の両足のあいだが寝心地の良いベッドだということを発見して眠るブイヨンの姿には、ただもう、にこにこせずにはいられません。

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2009年03月20日(金曜日)

アレグレス、広尾一丁目スイーツ・トライアングル

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090320kawag.jpg「広尾一丁目」交差点がちょっとしたスイーツ・トライアングルになっていることに気がつきました。4階建ての小さなカフェ、GOBLIN(ゴブリン)を訪れた帰り道。GOBLINの自慢は繊細なおいしさのティラミスなのですが、そのすぐ隣の建物にAllegresse(アレグレス)を発見したのです。

よく帰宅前に品川のDEAN&DELUCA(ディーン・デルーカ)でパンやお菓子を購入して帰るのですが、Allegresse(アレグレス)のシュークリームやマカロンはそうして出会ったひとつ。ハードタイプのシューのぶあつくかりっとした食感に開眼したのも、アレグレスのおかげです。濃厚なカスタードクリームと堅い皮の相性、とても良いんですよね。

こじんまりした店舗には魅惑のケーキや焼き菓子が並び、通りに面した一角には小さなイートインも設けられていました。GOBLINでランチとティラミスをいただいたばかりだったので、焼き菓子をテイクアウトすることに。いずれも180円~250円くらいと、お値段も大変可愛いのです。

写真の上から、「バーズバーズ」2種。メレンゲ菓子で、ダックワースとマカロンをかけあわせたような面白い食感。サンドしたクリームが7~8種類ある中から、「ココナッツ」と「プラリネ」を選びました。
次が「ノワゼッティエ」。しっとりした生地の中からヘーゼルナッツの風味がこっくりりと湧きあがる魅力的なお菓子。
その下はふんわり軽やかな食感で、「ショコラ・セル」。上品なショコラの風味はコーヒーより紅茶に合わせたい感じ。
一番下が「ガレット・ブルトンヌ」。ゲランドの塩を効かせた定番的なおいしさ。

もうひとつ、細長いスティックタイプのチーズケーキ「バトン・フロマージュ」も購入して、飲みこんだあとから鼻孔にひろがるチーズの香りを楽しんだのですが、こちらは写真を撮ることを思いたつ前に、すっかり食べ終えてしまいました!

店頭にあったリーフレットにはこんな言葉が綴られていて、しっかり濃厚なおいしさのお菓子をつくることへの矜恃と心意気を感じました。

  菓子屋は砂糖屋です。
  料理人が塩加減を自在に繰るように
  菓子屋は砂糖を自在に扱います。
  艶を出したり焦がしたり、保存性を良くしたり
  そして何より甘く美味しくするのです。
  砂糖の持つ色々な力をアレグレスの菓子達でわかってもらえれば
  砂糖屋として幸せなことです。

Allegresse Hiroo(アレグレス・ヒロオ)
東京都渋谷区広尾5-1-43
TEL 03-5448-9591
水休

さて、広尾一丁目交差点がどうしてスイーツ・トライアングルかといえば、三角形の2点をなすのはこのアレグレスと、GOBLIN、そして道路の反対側に気取らない小さなイタリアの伝統菓子屋さん「こぬれ」がいい匂いを漂わせていたのです。

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2009年03月14日(土曜日)

京都、喫茶セブンの物語

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090314kawag1.jpg仕事で京都に1週間ほど滞在していました。街角の喫茶店「御多福珈琲」で知り合った人が経営する日本酒自慢のお店に呑みに行き、「この近くで良い喫茶店はありませんか」と尋ねたら、小路添いに「喫茶セブン」がありますよと教えてくれました。滞在しているホテルから歩いて7、8分の距離です。

小雨の降る静かな朝に、喫茶セブンの扉を開けてみました。外壁には色褪せたCOFFEE セブンの文字。誰もいないひっそりした店内をストーブがあたためています。コーヒーとトーストのモーニングセットをいただきながら、白髪のマスターと話をしました。

喫茶セブンが開業したのは昭和38年。マスターの松宮さんはもとは会社員で、よく仕事をさぼって喫茶店で休憩していたそう。当時、会社員の月給が3,000~4,000円だったのに対してコーヒー1杯は50円。「こんなに楽な商売はないと思って(笑)」、みずから喫茶店を開業。

そのころ世の中は高度経済成長時代に沸いており、京都のこの界隈は着物で繁盛したそうです。着物を完成させるには10いくつもの工程があり、職人どうしの間でひんぱんに製作中の着物の受け渡しがおこなわれました。そうした受け渡しの待ち時間をつぶすために、また情報交換をするために、界隈の人々は喫茶セブンにひんぱんに出入りしていたのだそうです。

壁の片隅に残る変色した部分は、むかし階段があった痕跡。かつては2階にも席が設けられていたのだとか。2階はとうの昔に潰してありますが、目を閉じて、この静まりかえった店内が、景気の良い人々の活気ある会話や笑い声で満ちていた時代を想像してみました。

50円でスタートした喫茶セブンのコーヒーは、時代が移るにつれ10円、20円ずつを刻んで値上がりしていき、現在は300円。12年ほど前からこの良心的なお値段を守っているのだそう。常連客ばかりだから、申しわけなくて値上げできないとマスターは笑います。

「それでも、家賃がないからなんとか続けていられます。お客さまと話をするのが楽しみで店を開けているようなもんです(笑)」

090314kawag2.jpgお店を出るときに、なぜセブンという名前をつけたのですかと尋ねてみました。

「これがまた適当な話で、なんとなく3文字の名前がよかったんですな。ひかり、こだま、さくら…3文字なら、なんでもよかったんです、で、セブンですわ(笑)」

喫茶セブン
京都市中京区押小路通西洞院東入ル北側
TEL 075-231-6766
OPEN 8:30~17:00、日祝休
地図

喫茶セブンについてのさらなる情報はこちらをどうぞ

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2009年03月06日(金曜日)

SOYS CAFEに平子理沙さんとTAKAKOさん来店

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090306kawag2.jpg明日3月7日(土)、麻布十番にオープンするSOYS CAFEのプレス・プレビューにおじゃましました。正式名称は「イソソフラボン&コラーゲン SOYS CAFE(ソイズカフェ) by 豆腐の盛田屋」。

白く明るい販売スペースの一角には豆乳せっけんや豆乳そのものが並び、こじんまりしたイートインでは、自然素材にこだわった豆乳をベースとした「シルクラテ」(写真)や、おからを使ったスイーツ、ヘルシーなランチがいただけます。

090306kawag1.jpg※詳しくは後日、All About カフェでご紹介させていただきます。

メニューの中には、メイクアップアーティストのTAKAKOさんが美と健康を追及したレシピや、モデルの平子理沙さんプロデュースによる「紫芋のおからタルト」もあって、この日はお二人が店内に顔を揃えました。

さっそく二人にカメラや携帯電話を向ける人々に交じって記念撮影させていただいたのですが、どのアングルからも笑顔が決まるチャーミングなお二人でした。

SOYS CAFE by 豆腐の盛田屋
東京都港区麻布十番2-5-1 マニヴィア麻布十番1F
(旧麻布十番温泉のななめ向かい)
TEL 03-6459-2016
OPEN 9:00~23:00(予定)
不定休

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2009年02月27日(金曜日)

セレンディピティ

東京カフェマニア主宰 川口葉子

セレンディピティという言葉が好きで、mixiのプロフィール欄にもそう書いているのですが、そのセレンディピティをタイトルに冠した映画があります。

舞台はクリスマスシーズンを迎えたニューヨーク。世界で一番ロマンティック・コメディにふさわしい街。買い物客でごったがえすブルーミングデールズの手袋売り場で、ひとつだけ残っていた黒いカシミアの手袋を同時につかんだことから、ジョナサンとサラのセレンディピティが始まります。

090227kawag.jpgセレンディピティとは、この映画の中で使われているように単純化すれば、思いがけない幸運を発見する能力のこと。偶然は誰の身の上にも降りかかるけれど、その偶然に気がついて、運命のサインを読みとることができるかどうかはその人しだい。

出会ったばかりのジョナサンとサラは、恋の行方を運命に託しました。サラはジョナサンに5ドル紙幣の上に名前と電話番号を書かせ、街角のスタンドでお菓子を買うのに使います。

「あのお札がいつか私のところに戻ってきたら、あなたに電話する」

じゃあ僕はどうすればいいんだ、と叫ぶジョナサンの前に、サラは持っていた1冊の本をさしだします。

「私はこの本のページに自分の名前と電話番号を書いて、明日の朝、どこかの古本屋に売るわ。いつかどこかの古本屋であなたがこの本をみつけたら、電話して」

――さて、そんな奇跡は起きるのでしょうか? 気軽に楽しめるラブ・コメディとして作られた映画ですから、二人はたくさんの笑えてせつないニアミスを積み重ねていきます。

二人が短いおしゃべりを楽しんだカフェ「セレンディピティ3」はマンハッタンに実在し、古くはマリリン・モンローやアンティ・ウォーホール、最近ではニコール・キッドマンやメグ・ライアンらが訪れた有名店。映画の中でジョナサンとサラが食べていたフローズン・ホットチョコレートはこのカフェの名物メニュー。
店頭にはオリジナルグッズが並び、チョコレートの香りのキャンドルやチョコレートシャンプーまで販売されています。 

セレンディピティの本来の意味は、なにかを求めて努力しているときに、最初に求めていたものとは違う素敵なものを発見するということ。たとえば、砂漠のどこかに隠された財宝を探して旅に出たら、途中で体験した幾つもの偶然のように見えるできごとから、自分に音楽の才能があることに気づかされて、音楽家として人に幸福を与えられるようになった…という感じですね。

ここでも、大切なポイントは自分でその“サイン”に気がつくということ。なんでもなさそうな日々も、注意深く目を凝らしていれば、意味のあるサインが浮かび上がってくるのでしょう。

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2009年02月20日(金曜日)

さびしいときに食べたいごはん

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090220kawag2.jpg青山のColabo Cafeで昨年まで「おうちカフェ」を定期的に開いていた笠井奈津子さんが、このたび素敵なお料理の本を出版されました。タイトルは『ココロもからだも楽になるおうちごはん116』(扶桑社)。

笠井さんは診療内科クリニックで食事カウンセラーをつとめ、毎日の食卓に並ぶごはんと、食卓で交わされる楽しい会話がどれほど人の心に大きな影響を与えているかを実感。「おうちカフェ」では、野菜たっぷりの飾らないけれど心をこめたおいしい料理をふるまい、訪れる人々の心身を優しく元気づけてきました。

そんな笠井さんが作ったお料理の本には、「さびしいな、と感じたら…」「落ち着かないな、と感じたら…」「落ち込んでるな、と感じたら…」など、心の天気に対応するレシピが並んでいます。

「さびしいな、と感じたら…」の章には、「たとえば、ひとりで過ごす金曜日の夜に」と題して、「いわしと野菜のグリル」「わさび菜とグレープフルーツのサラダ」の作り方が紹介されています。ビタミンCたっぷりのサラダと、疲れをとる良質のたんぱく質、そしてみずみずしい野菜や果実の生命力と彩りが、ひとりで過ごす時間を豊かにしっかりと支えてくれるのです。

私もさっそく作ってみました。「ストレスがたまっているな、と感じたら…」のページにあった、細かく切った赤パプリカとパルメザンチーズをフライパンで溶かしただけで完成するチップス(ワインが進みすぎて嬉しい悲鳴!)や、「落ち着かないな、と感じたら…」のページの「炒り大豆ごはん」。いずれも面倒な手順は全く必要のない、誰にでも気軽に作れておいしいレシピです。

前書きには、笠井さんのこんな言葉が綴られていました。

「心が折れる瞬間」は、きっと誰にでもあるのです。
あせらなくても大丈夫。
でも、心を元気にする材料を口にしていないのに、
気持ちだけ頑張るのは、
ガソリンを入れていない車を念力で走らせようとしているのと同じこと。
これからは「元気になれない自分がだめなんだ」なんて思わずに、
ちゃんと心と体に栄養補給してあげてください。
気持ちが上向きにならないときは、まず、バランスのとれたおいしいごはんで体を幸福にしてあげればいい。そうすれば心は自然に生きかえる……あらためてそう気づかせてくれる本です。
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2009年02月13日(金曜日)

これからは「想いのある店」の時代に

東京カフェマニア主宰 川口葉子

スクーリング・パッドは自分の生き方・働き方を学び発見するための学校。「レストランビジネスデザイン学部」からは息の長い人気カフェのオーナーたちが巣立っています。

※8期生の募集がスタートしました。4月から開講だそうです。詳細はこちら

スクーリング・パッド事務局の方とメールのやりとりをした折に、「ニュースでは暗い話ばかり聞こえてきますけれども、カフェに関わる講師の方々、生徒の方々の心はいきいきと、ホットなのでしょうか?」と尋ねてみたら、素敵な返信がかえってきました。この言葉から勇気やヒントを得る方々もきっと少なくないと思いますので、以下にご紹介しますね。

090213kawag.jpg 飲食業界もなかなか大変なご時世に入っておりますが、
 これまで『仕組み』や『方法論』だけで勝ってきた
 企業や店にとっては厳しいでしょうね。

 ただ、私個人としては『想いのある店』にとっては、
 むしろチャンスだろうと考えています。

 いつの時代もカフェやレストラン、居酒屋などの外食は
 日常生活を豊かにしてくれるものだと思いますし、
 そのような豊かさを提供してくれる真っ当な店は
 しっかりと生き続けると考えています。

 実際、講師の皆さんもなんだかんだ言っても
 飲食業界に誇りを持っていますし、
 生徒の皆さんも、『人の顔の見える仕事』として
 飲食業界への熱い想いを持っている方が多いのを感じます。

いつだって「ピンチはチャンス」。世界の見取り図が大きく変化して、従来のコンパスが役に立たなくなっている今こそ、想いを秘めた個人の力が小さくても鮮やかにスパークする好機なのかもしれませんね。

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2009年02月06日(金曜日)

立春のマインドマップ

東京カフェマニア主宰 川口葉子

「1年の計は元旦にあり」という言葉が、妙にクラシックに聞こえるようになりました。

…2月にこんな間の抜けたことを書いている人もあまりいないと思うのですが、1月はついうかうかと過ごしてしまったので、立春を機会に、2009年にしたいこと、しなければならないことを整理してみました。その際に描いてみたのが友人にすすめられたマインドマップです。

090206kawag.jpgマインドマップは図を描いて頭の中を整理する手法。こんな図をカラフルに描いていきます。友人が貸してくれた、絵本のような作りの薄いマインドマップ入門書をぱらぱらとめくってから、A4サイズの白紙と24色の色鉛筆を用意して描きはじめました。

※描きかたのルールはこちらのサイトにも載っていました。

ツールの習得に時間をかけたくはないので、私はあくまでも適当に描きはじめたのですが、この作業、なんだかとても楽しいのです。頭の中にぼんやり浮かんでいる計画や夢の輪郭を整理して、自分だけの世界地図をつくるような作業ですから。

とりあえず白紙の中央に描いたのは、嬉しそうな自分の顔。そのまわりに、「仕事」と名づけた太い枝や、「からだ」と名づけた太い枝、「生活環境」「旅行」などの枝をそれぞれ伸ばしていきます。

「からだ」の枝からは「健康」や「ダイエット」の枝が伸びて、その先には「マクロビオティック」「リビングフード」「アロマテラピー」などの小枝が伸びて……。

色とりどりの枝を描いていくうちに、あ、そうだ、あんなこともしたい、こんなこともしたかったんだっけと、新しいことを思いついたり、忘れていた計画をつぎつぎに思い出したりします。1時間のあいだマインドマップづくりに集中したら、自画自賛したくなるほど素敵な2009年の地図が完成しました。

近年はさまざまな企業がビジネスツールとしてマインドマップを取り入れているそうですが、どの部署にもひとりは、「マインドマップを描くのはうまいんだけど、実行はさっぱり…」と言われているひとがいそうですね。

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2009年01月30日(金曜日)

インドから来た青年シェフ

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090130kawag.jpg美しい手しごとに携わる女性作家が、ギャラリーとカフェを開いています。そのカフェで、インドから来た青年に出会いました。すっと心に届く、気品あるエレガントな笑顔。日本ではなかなか見ることのできない種類のスマイルでしょう?

彼の名前はラケッシュ。このカフェのおもてなしはインド菜食料理で、デリーのホテルのレストランで働いていたラケッシュ君がシェフをつとめているのです。

女性作家は繭から糸を紡ぎ、機でゆっくりと織り上げて、草木で染め、一枚の布に仕上げていきます。その色の中に、インドでしか出せない色、沖縄・西表島でしか出せない色があるので、たびたびインドや西表島に出向いているおり、そんな道中にラケッシュ君と出会ったのだそうです。

ラケッシュ君の菜食料理のレパートリーは幅広く、日によって北インドのカレーと手作りナンが登場したり、南インドのカレーとドサが登場したり。かつてインド最南端の港町で子ども時代を過ごした私は、日本ではまだ数少ない南インド料理に対面して感激しました。

私が訪れた日のセットメニューは、ドサ(米粉で作ったクレープ生地の中に、マサラ味のジャガイモの具を巻き込んだもの)、サンバル(南インドの野菜カレーのこと。この日はレンズ豆入りスープカレー)、ワダ(これも南インド料理で、豆をつぶしてフライにしたもの。この日はウラッド豆のフライでした)、そしてサラダ。気取らない家庭料理ですが、一品一品がていねいな手作りで、とてもおいしい!

食後にいただいたチャイも濃厚で、ほの甘さの中からジンジャー、カルダモン、フェンネルが魅惑的に香る逸品。でも、お料理もチャイもおいしいとラケッシュ君に告げると、こんなことを言うのです。
「僕のお母さんの料理が一番おいしいです」

家族思いの彼は、毎年2月と8月に1ヶ月ずつ、インドの家族のもとに里帰りします。このカフェのことは2月にAll About カフェでお伝えしますね。

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