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2009年01月23日(金曜日)

義母の振り込め詐欺事件

東京カフェマニア主宰 川口葉子

伊豆大島の義母があやうく振り込め詐欺にだまされるところでした! 詐欺の手口はたゆまぬ進化を続け、どんどん巧妙になっていくのですね。義母の話を聞いて、ついうっかり感心しそうになりました。

090123kawag.jpg義母が体験した振り込め詐欺には、前日から「仕込み」があったのです。東京在住の孫のT君を装った青年から、「あ、オレだけど! 携帯電話の番号を変えたから、書きとめておいて」という電話。その日はそれだけで終わったのだそうです。

その時点で義母はすっかり信じてしまったのです。だって、本当にT君に声がそっくりだったから--と義母の弁。

翌日に再び電話がかかってきて青年が語るには、「怪しいサイトにアクセスしたら、200万円の請求が来てしまった! 知人の弁護士に相談したら、すぐに振り込まないと訴えられるけれど、後日その8割は返金してもらえるって。だからお金を貸して」

この「あとでお金を返してもらえる」という要素も、ガードを甘くする手口ですね。しかしまあ、とりあえずそんな話を聞かされたときの当然の反応として、義母は尋ねたのだそうです。
「自分の両親には言ったの?」
「まだ。これからうちに帰って、直接話すから」

なるほど、うまいものですね。きっと「相手が質問をしてきたときのFAQ」のマニュアルがあるのでしょう。

幸いにして義母はすぐにT君の母親に電話をかけ、ことの次第を話しました。母親がただちにT君本人に連絡したので、振り込め詐欺だったことが発覚。

一部始終を聞いているうちに、ふだん頼もしいしっかり者の義母がなぜ騙されそうになったのか、よくわかりました。日ごろから振り込め詐欺を話題にして、自分だったら犯人にこう切り返してあげるわ、などと笑っていたぶんだけ、「自分が騙されるはずがない」という確信が強くなってしまったのですね。

自分は騙されないと思っている人が、いちばん騙されやすい……そんな真実をかいま見た、小さな事件。笑い話で済んで本当に幸運でした。

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2009年01月18日(日曜日)

トロワグロのカフェ・リニューアルオープン

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090118kawag.jpg新宿・小田急百貨店8階のトロワグロカフェが2009年1月にリニューアルオープン。レセプションにおじゃましました。

フランスで40年連続してミシュランの三つ星に輝くレストラン・トロワグロと小田急百貨店の提携は、今年で25周年を迎えます。今回のカフェのリニューアルのコンセプトは「フランス・ロアンヌの風景を新宿に」。料理や内装、食器などをすべて一新し、アラカルトのほか、好みで選べるプリフィクスメニューも展開しています。

写真は上から:
(1) 6種類の野菜そのものの味を引きだした繊細な仕上げの「野菜のテリーヌ、ディル風味の軽いソース」(1365円)
(2) オレンジのフレッシュな酸味が香るトマトソースが魅力の「アルデンテにゆで上げたリガトーニ、ジェノヴァソースとイカのソテー」(1365円)
(3) 「フレッシュなシェーブル(山羊のチーズ)とバジルのカネロニ、ナスのクリーム」(1365円)
(4) ブルーベリーやラズベリーの甘酸っぱさをたっぷり味わえるデザート

それぞれ、単品で注文するよりもプリフィクスメニューとして選んだほうがずっとリーズナブル。前菜+メイン、またはメイン+デザートの組み合わせで1680円、前菜+メイン+デザートを組み合わせると2205円でいただけます。

トロワグロカフェで腕をふるうシェフはキュイジーヌ・ミシェル・トロワグロのオープン当初から厨房で活躍してきた秋山氏(写真)。ドレスアップして堪能すべきレストランの味わいのエスプリを、カフェならではの気軽さで楽しませてくれます。

サプライズはティータイムのメニューに登場するバーガー! 1/4だけ味見させていただきましたが、厚みのある仔牛肉をふんわりと柔らかなレアに仕上げ、自家製バンズにはさんだ贅沢な一皿です。「“トロワグロ風”バーガー」は1575円。

もちろんカフェですから、コーヒー一杯でもお気軽にどうぞ。カプチーノ、紅茶、ハーブティーはそれぞれ682円とリーズナブルな価格で楽しめます。

カフェ・トロワグロ
新宿小田急百貨店本館8階
OPEN 10:00~21:00(LO 20:00)
ランチタイム 11:00~14:00/ティータイム 14:00~18:00
ディナータイム 18:00~21:00

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2009年01月09日(金曜日)

徳川将軍の珈琲/サザコーヒー(茨城)

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090109kawag.jpg明け方に初雪がちらついたようです。家で過ごす日は、冷たい雨模様も心やすらぐものですね。乾いていた街の空気が潤うのを皮膚が感知して、ほっとしているようです。いつもよりさらに注意深く楽しんでコーヒーを淹れたくなります。

年末に帰省した折に、いつものようにサザコーヒー本店を訪れました。
店名は「且座喫茶」の「且座」にちなんでいるそう。且く坐して茶を喫せよ、つまり「座って、お茶を飲んでゆっくりしてください」という意味。

改装を加えて広くなったサザコーヒーの店内は、ますます居心地がよくなっていました。中庭のテラス席には常緑樹の緑がこぼれ、暖炉には薪がくべられ、炎が揺れています。無意識のうちに暖かな火のそばへとからだが引き寄せられるのは本能でしょうか。

サザコーヒーの名物といえば、全国的にも知られる「徳川将軍珈琲」。15代将軍、徳川慶喜のひ孫にあたる徳川慶朝さんが焙煎を手がけました。
江戸時代に将軍が飲んだと思われるフランス流カフェオレについては、サザコーヒーのこちらのページをどうぞ。サイトからお取り寄せも可能です。

スイーツもさらに種類が増えて、バナナキャラメルシフォンや金柑をのせた南瓜プリンなど、果実が魅力的なアクセントになっています。
お客さまはひっきりなしに訪れ、店内は活気に満ちているのですが、広い空間は幾つかのエリアに区切られているので落ち着いたトーンが全体を支配しています。

こんな午後にあそこでコーヒーを飲んだらどれほど心地よいだろうと想像するのも、遠くにあるカフェの魅力のひとつ。近くのカフェは「行ってこそ」の存在ですが、遠いカフェは思いをはせることも楽しみのうちなのです。

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2008年12月26日(金曜日)

ホジャのゆるい笑い話

東京カフェマニア主宰 川口葉子

ホジャは13世紀のトルコを生きた知識人。たくさんのユーモラスなエピソードを遺したことから、トルコ国内ではトルキッシュ・ジョークの元祖と言われていて、日本語の達者なトルコ人のガイドが「トルコの一休さん」と説明してくれました。

現地の書店でホジャの笑い話を集めた本の日本語版をみつけました。そのままではちょっと読みにくいので、手元でもう1回意訳してご紹介しましょう。

081226kawag.jpg【鴨(かも)のスープ】

お金に困っていたホジャ。空腹をおぼえて家じゅう食べ物を探しまわりましたが、やっとみつかったのは乾いたパンひときれだけ。
“パンと一緒においしい鴨肉が食べたい”
そう思って湖に行き、泳いでいた鴨を追いかけてみましたが、全然つかまえられません。

やがてホジャは、持参したパンを湖の水に浸して食べはじめました。その姿を見かけた人が不思議がって、いったい何をしているのかとホジャに尋ねると、答えは……
「鴨のスープに、パンを浸して食べているんだよ」

【落下音】

ある夜、ホジャの近所に住む人々の耳に大きな物音が聞こえました。
翌朝さっそく人々が
「ゆうべあんたの家からものすごい音がしたけど、いったいなんだったんだい?」
とホジャに尋ねると、
「なんでもないよ。ただ、私の上着が屋根から落ちただけだ」
と言ってすました顔をしています。でも、みんなは納得しません。
「上着が落ちたくらいで、あんなすごい音がするものかね?」
「たまたま、上着の中に私が入っていたんだよ」

なかなか素敵な人のようですね!

今年も1年間「ほんわか茶飲み日誌」におつきあいいただきましてありがとうございました。2009年は1月9日(金)からお当番をつとめますので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆さまにとって新しい年が平和な1年でありますように。

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2008年12月19日(金曜日)

イスタンブールのお菓子屋さん

東京カフェマニア主宰 川口葉子

081219kawag.jpg8日間のトルコ旅行に行ってまいりました。どんな国に行っても、人間を惹きつけるのはやはり食べもの! 
おもしろいもので、世界三大料理のひとつと言われるトルコ料理を前にした人々の反応は十人十色。各人の食に対する基本姿勢がくっきりとあらわれます。

日本の料理に似た、食べ慣れた味を喜ぶ人。トルコでしか食べられないものを選ぶ人。何を食べても口に合わず、「味が濃い」を連発している人。ひとくち食べてみておいしくないと思ったら、以降いっさい手をつけない人。
食べ方と生き方には、共通点があるのでしょうか?

私は「変な味も旅のおもしろさのうち」と考えているので、口に合おうが合うまいが、すべて堪能してしまいます。だって、世界中の食べものが、日本人の舌の好みや食習慣に合うように作られているはずがないですものね。旅先では現地の人々の好みを尊重したほうが楽しめます。

トルコの人々は甘いスイーツが大好き。お菓子やさんに見とれていたら、このおじさんが「ロクム」と呼ばれる伝統的なお菓子の試食を薦めてくれました。日本人にはこのロクムが最も好評だということを知っているのでしょう。

ゆべしのような、もちもちした食感のロクム。ピスタチオ入り、ヘーゼルナッツ入り、薔薇の香料入りなどたくさんの種類があります。甘さも控えめでおいしかったので、トルコの人々にならって、あこがれの「キロ買い」をしました! といっても0.5キロでしたが。
これとこれと…と指さして、箱に詰めあわせてもらい、旅の間中ホテルの部屋で楽しんだのでした。

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2008年12月12日(金曜日)

第一シュトレン、キィニョン

東京カフェマニア主宰 川口葉子

081212kawag.jpg12月の最初の週から楽しみはじめるドイツの重厚なパン菓子といえば、みなさまよくご存じのシュトレン。

本来は12月の各週末ごとに薄くスライスしていただき、しだいに熟成されていく味の変化を楽しむとされていますが、きっと私のように1週間で食べきってしまってクリスマスの前になくなっちゃう、という食いしん坊もドイツには多いのではないかと想像します。

昨年から、クリスマスまでとっておくという節度あるおやつ生活をすっぱりとあきらめ、第一シュトレン、第二シュトレン、第三シュトレンと、3軒のお店のシュトレンを食べ進んでいくことにしました。今年の第一シュトレンは国分寺の小さなパン屋さん、キィニョンでみつけたもの。キィニョンとはフランス語でパンのはじっことか、パンの焼けた部分とか、パンのひとかけらを意味するのだそうです。

レジ横の小さなかごに、数字もようの紙袋にくるまって、それは置かれていました。なにげなく見ていたら、お店のスタッフが「シュトーレンです。味見なさいますか?」と声をかけてきたのです。お願いします、と答えると、彼女はにっこりして工房に姿を消しました。

戻ってきた彼女の手には、小さなお皿にスライスしたシュトレンが数きれ。そのうちひとつをつまんで味見させていただくと、まださらさらした、作りたての味です。いわばシュトレンの赤ちゃん。熟成されていくとどんな味になるのでしょう? 
大人になって円熟した姿を味わってみたくて、1本購入しました。まんなかの写真の左に、ラップにくるまれて写っているのがそのシュトレン。

シュトレンのレシピはどこでも手に入り、読んでみるとそれほど難しくはなさそうなのですが、すべてを手作りしようと思うと、こつこつと仕込んでいく準備時間がとても長いのですよね。
たとえば、生地に焼き込むドライフルーツのラム酒漬けを作る作業は、1ヶ月前。無農薬オレンジの皮をむいてオレンジピールを作ったり、イチジクやレーズンをラム酒に漬けこんだり…。これらの具を買って済ませることもできますが。

クリスマスの晴れ舞台のために、ひとつひとつの作業を根気よく積み重ねていくことを楽しめる、そして待つ時間を楽しめる……そんな人だけが、おいしいシュトレンを一から作っていけるのでしょう。
私が心から望むクリスマスプレゼント、それは「シュトレンをまるごと作れる自分」なのかもしれません。

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2008年12月07日(日曜日)

運は隣の席しだい

東京カフェマニア主宰 川口葉子

081206kawag.jpgなにげなく座ったカフェの椅子がものすごく気まずい席だったということが、たまにありますね。先日、眺めの良いカフェの入り口でスタッフに「いちばん奥のお席にどうぞ」と指し示されたのが、まさにそんな席でした。

腰をおろして、なかなか居心地の良い席だこと、と思ったのは最初の3秒間だけ。すぐに隣のテーブルがただならぬ気配を発していることに気がつきました。

見ないようにしながらそっと様子をうかがってみたところ、お隣は押し黙ったまま見つめあう若いカップルのよう。女の子のほうからは、鼻をすする音がひんぱんに聞こえてきます。

煮つまった恋人たち。テーブルを支配しているのは、おそらく「別れ」をめぐる攻防と思われます。

そんな緊迫した場面に隣りあわせてしまった不運。いたたまれない、とはこのことです。聞き耳をたてては申しわけないと思い、あたかも彼らが存在しないようにふるってみましたが、けっこう疲れるものです。

やがて、筆談が始まりました。デュラレックスのグラスにたっぷり差してあったペーパーナプキンを男の子が1枚取ってなにごとか書きつけ、彼女へ。彼女もバッグからごそごそとボールぺンを取り出して、返答を書いて彼の前に押しやります。

そんなやりとりが何度か続くうちに、彼女の鼻水が止まりました。そしていきなり、劇的な展開に。
「じゃあ、行くわ」とつぶやいて立ち上がり、自分のグラスの水をぶちまけたのです。男の子のほうが、ですよ!

しかも水をぶちまけたのは、テレビドラマでよく見るように相手の頭の上からざっと、ではなくて、女の子の空になったコーヒーカップの中。テーブルには1滴もこぼさず。

なんか…ちっちゃい男だ! お別れして正解なのでは?と、心の中で彼女に語りかけましたが、勘定書とともに残された彼女はまた泣き始めたようで、鼻をすする音がひときわ大きく再開されたのでした。おかげで私はそのカフェのコーヒーの味がどんなだったか、まったく思いだせません。

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2008年11月28日(金曜日)

天国の質問

東京カフェマニア主宰 川口葉子

ある映画の中で、エジプトのピラミッドの上に腰かけて、博識なモーガン・フリーマンが大金持ちのジャック・ニコルソンに天国にまつわるエピソードを披露します。いわく、人間が死ぬと天国の扉の前で門番に2つのことを尋ねられる。質問に両方とも「はい」と答えられた人が天国に入れるのだと。

その質問とは--
「あなたは人生の中で喜びを味わいましたか?」
「あなたは他の人々に喜びを与えましたか?」

死を取り扱った映画を何本かたてつづけに観たものですから、子どものころ、死ぬのが怖くてふとんの中で身じろぎもできなかった記憶がよみがえってきました。

奇妙で独特なその恐怖は、昼間はまったく襲ってこないのに、夜、ふとんに横になって目を閉じるといきなり襲いかかるのです。自分が消滅しても、この世界はすこしも変わらず太陽がのぼり、さまざまなできごとが起き、人々は喜んだり悲しんだりする……そのことが絶望的に怖かったのです。

いまとなっては、どうして自分が消滅することにそれほど根源的な恐れを感じていたのか、うまく思い出せないのですが。

081128kawag.jpg祖父は小さな冗談や洒落の好きな人で、高齢で入院してからも、穏やかな口調で「自分が死ぬ瞬間には、時代劇で亡くなる人がよくやるように何か言いかけてから、急にがくっと首をたれる」と宣言して親族や看護師さんたちを笑わせていました。

そして息をひきとるその瞬間、祖父は本当にがくっと首をたれたので、見守っていた父は一瞬、冗談なのか本気なのか迷ってしまったそうです。
最後の最後まで、周囲の人を楽しませることを考えていた祖父。天国の扉の前で、門番に2つの質問を受けたら、きっと静かにほほえんで「はい」と答えられるはずです。

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2008年11月21日(金曜日)

朝の満月バゲットトースト

東京カフェマニア主宰 川口葉子

食べものの匂いがする映画が大好きです。登場人物たちがレストランで、あるいは家で食事をするシーンばかりでなく、キッチンで料理をするシーンも食い入るように見つめてしまいます。

大島弓子は登場人物たちが「スーパーマーケットで何を購入したか」にも興味をそそられるようで、スクリーンの中の買い物袋をのぞきこむようにして「どれどれ、何を買ってきたの、もっと見せてよ」とつぶやいているひとこまが、彼女の生活エッセイのような作品のなかにありましたっけ。

081121kawag.jpg『月の輝く夜に』はパンとエスプレッソをはじめ、おいしそうなイタリア料理の匂いがぷんぷんたちこめている映画。大人のためのファンタジーとして若い頃に何度もくりかえし楽しんだ映画ですが、いま、食いしんぼう映画として鑑賞しなおしても楽しめるのです。

なにしろ物語の舞台はひとむかし前のニューヨークのリトル・イタリー。まだ若々しいニコラス・ケイジは、リトル・イタリーの街角にあるベーカリーのパン焼き職人の役。私がスクリーン上で見たかぎりでは、世界一、胸毛の濃いパン職人です!

映画の冒頭から、マキネッタで淹れたエスプレッソと、バターをこってり塗ったこんがりバゲットが登場するのですが、とびきり心をそそられるのは、主人公シェールの母親「カストリーニ夫人」がキッチンで作る朝食用のバゲットトースト。

カストリーニ夫人はスライスしたバゲットの真ん中を丸く繰りぬき、フライパンに2切れ並べます。じゅうじゅうと音が聞こえてきそうな画面ですから、たぶん最初にバターをひいているのでしょうね。フライパンのあいている部分には真っ赤なドライトマトものせて。

バゲットが色づいてきたら、真ん中のくり抜いた部分に卵を割り入れます。つやつやと輝く黄身は、まさに映画のタイトルである満月そのものの姿!

卵が半熟くらいになったら、フライ返しでバゲットごとひっくり返して裏面も焼きます。卵が飛び散らないように返すカストリーニ夫人の腕前はなかなかのもの。仕上げにドライトマトをのせてお皿の上へ。

お皿を受け取ったシェールは、食べる前に塩と胡椒をちょっとふりかけています。お供の飲みものは、青いポットにたっぷり用意されたコーヒー。

明日からの三連休には、この『月の輝くトースト』(と、勝手に名づけました)を作ろうと思います。それにしても、映画の中で飲まれるコーヒーって、どうしてあんなにおいしそうに見えるんでしょうね?

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2008年11月14日(金曜日)

+cafe Flug…「あした、旅にでかけたくなるカフェ」

東京カフェマニア主宰 川口葉子

081114kawag1.jpg神保町の路地裏に、旅をテーマに掲げた小さなカフェが誕生しました。+cafe Flug(カフェ・フルーク)。フルークはドイツ語でフライトを意味するのだそうです。

取材におうかがいしたとき、ちょうどオーナーの女性は年末年始をチェコ在住の友人と過ごそうと、大みそかのプラハ行き航空券の予約回答を待っているところ。インタビューの最中に「残念、満席」の回答が届きました。

「大丈夫、あなたならきっと、なんとかなります!」
とスタッフが笑いながらオーナーを無責任に勇気づける姿がちょっとおかしかったのですが、本当になんとかなったそうで、後日、無事に<プラハ~ミュンヘンビールの旅>ができそうですというメールをいただきました。

そう、ビール。+cafe Flugでは、ドイツやチェコのおいしいビールや、世界各国の種類豊富なリキュールが、お酒によくあうお料理とともに楽しめるのです。それはさながら、お酒でめぐる世界の旅。 ※詳細は来週月曜日に、All About[カフェ]上でお伝えしますね。

081114kawag2.jpg肌寒い夕方、細い路地の一角が、カフェのガラス扉からにじむ蜜柑色の光で明るんでいる光景はいいものです。それが神田・神保町という独特の匂いがたちこめる街ならなおのこと。
オーナーに、なぜ神保町にお店を構えたのですかと尋ねてみました。

「神保町は都心にありながら、路地裏にはのんびりした風情が残っています。世界一と言われる古書店街が続いていて、古いものを大事にする空気があるのですが、同時に、出版・広告の仕事に携わる感度の高い人々が集まってくるため、新しいものを拒絶しない懐の深さを持ち合わせています。そんな街なら、このカフェも受け入れていただけるかなと思って」

その通りだったようです。取材が終わるとほぼ同時に、仕事を終えたらしき男性客がふたり入ってきて、慣れたようすでビールを注文し、ほっとくつろいだ表情でテーブルに向かい合って、会話の続きを始めましたから。

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