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2007年12月28日(金曜日)

足のかたちになる靴の物語

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071222kawag.jpg谷中に「そのみつ」というオーダーメイドの靴屋さんのアトリエがあります。こじんまりした店高ヲですが、気鋭の若手職人が成功させたショップとして全国に名を知られ、人気を集めています。
今年の春、偶然にそのアトリエの前を通りかかり、革の色彩の微妙な濃淡や、シンプルかつチャーミングなデザインに心惹かれ、オーダーすることにしました。

代金は靴の基本料+その人の足型にぴったり合わせるための細かな作業の工賃。私の場合は合計で5万円とちょっとでした。いささか手間のかかる足なのです。
左足と右足のサイズがほんの少し違うので、ふつうの靴屋さんで左足に合わせて靴選びをするときは23.5cm、右足で選ぶなら24cm。たいてい24cmを選びますから、いつも左足が微妙に靴の中で遊んでしまいます。オーダーメイドの靴なら、そんな問題もきれいに解消してくれるはず。

「そのみつ」では、まず店頭で時間をかけて靴のデザインと革を選択しました。選んだのは、足の甲がきれいに見える右下の写真のデザイン。色は深いグリーンで作っていただきたかったのですが、ちょうどその革が終了したところだったので、珍しい、春の空のようなスモーキーなブルーを選びました。

071222kawag1.jpgあとは驚くほど細かな採寸が待っています。椅子に腰かけた状態で、両足のありとあらゆる部分の寸法を測ったら、次に立ち上がった状態で再びありとあらゆる寸法を測ります。座っているとき、立っているときでは、足の指やかかとへの力のかかり具合が違いますから、各サイズも微妙に変化するのですよね。

「仮縫いの状態まで仕上がったらご連絡させていただきます。申しわけないのですが、おそらく半年ほどお待ちいただくことになるかと」

すべてが丁寧な手仕事ですから、大量生産はできないのです。そうして、「仮縫いが出来上がりましたので、試し履きにいらしてください」という電話をいただいたのが12月のこと。クリスマス前にアトリエを訪れて、見ているだけで散歩に出かけたくなるような美しい靴を試し履きさせていただきました。

私のためだけに、たっぷり時間をかけて作られた、1足の空色の靴。その靴に足を入れると、職人さんは両手のひらと指を使って、つま先、甲、かかとの密着具合をきめ細かく確かめて、「ここが当たりませんか?」「ここは締まった感じがしますか?」と尋ねていきます。

甲の部分がちょうどぴったりすぎる、もう少しゆとりを持たせてもいいのでは?と錐垂キると、「うちの靴は浮燉も革で作っていますから、履いていただいているうちに、足のかたちになるんです。今の時点でここをゆるくしてしまうと、ちょっと履き慣れてきたときに、靴の中で足が前にすべってしまうと思うんですよね」とのこと。
ああ、そういえばそうなのです、ヒールの高い靴を履いたときの最大の悩みはその“前すべり”でした。

靴を履いて何往復か歩いてみて、甲の部分以外の微妙なサイズ調整を何箇所かおこなうことを決めたあと、空色の靴は再びアトリエに戻っていきました。
「お待たせするばかりで本当に申しわけありません……来年、1月20日に完成します」

というわけで、オーダーしてからほぼ10ヶ月のあいだ待つことになった靴ですが、待つのも楽しみのうち。そして、待つ時間が長ければ長いほど、大切にしようという気持ちが熟成されていくものです。
そのみつの革は履けば履くほど、落ち着いた深い色に変化していくのですって。しかも、そのかたちは私の足のかたちそのものになっているのですから、自分の足をいたわるように、まめに修理しながら愛用したいと思います。桜をめぐってぶらぶらと散歩できる季節が待たれます。

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2007年12月14日(金曜日)

読み終えた本の最良の行き先は?

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071214kawag1.jpg「この分野のお買いものだけは、お財布を気にしなくていい」と自分に許しているジャンルがあります。どうせ食べものでしょう!と言われてしまいそうですが、本です。

ふところ具合が淋しいからという理由で、素晴らしい本に出会い損ねてしまうとしたら、これほど悲しいことはありません。ひとによってはそれが好きなアーティストのライブだったり、部屋に飾る花だったり、旅だったりするのでしょうね。

そんなわけで、家にはひたすら本が増殖していくばかり。本の整理はハウスキーピングの最大の頭痛の種となっています。もう読まないと判断した本の多くは捨ててしまうのですが、なんてもったいないことをしているのだろうと、後味の悪いことこの上ありません。Amazonやヤフオクで売っては?と友人がアドバイスしてくれたのですが、面倒くさがりの私にはどちらも向いていないようです。

この年末、やっとまともな解決法に出会いました。それはブックオフがWeb上で実施している「スマイル・エコ・プログラム」。本を送料無料で引き取ってもらって、買取金額は「エコ募金」に寄付することにしました。この募金は任意なので、しなくてもかまわないのですが。

とりあえず段ボール3箱分に本を詰めてWebサイトから申し込んだところ、翌日すぐに宅急便の人が引き取りにきてくれました。なんて簡単!
寄付先は5種類のコースから選べて、私は森林の保護コースを選択してみました。「たとえば1000円で、マングローブの苗木約100本をバングラデシュに植えられます」

買取金額がいくらなのか、査定は約1週間後だそう。たいした金額にはならないと思いますが、あの本たちがマングローブの苗木に変身して大きく育ってくれますように。

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2007年12月09日(日曜日)

擬音語占い

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071208kawag2.jpgふわふわ、ほかほか、にゃあにゃあ、といっった擬音語や擬態語=オノマトペ。この茶飲み日誌の「ほんわか」もオノマトペですね。
お料理をするときや食事をするときもたびたびオノマトペにお世話になるもので、福田里香さんには『スイーツオノマトペ』という素晴らしい着想のお菓子のレシピブックがあります。
“おいしいお菓子にはおいしい音がついてきます。 ぱりぱり、ぺろぺろ、ぷるんぷるん ・・・音にあわせて作ってみませんか?”

文章を書くことを習ったことのあるひとなら、「オノマトペを乱用すると文章の品格が失われる」という古典的なお約束を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、ここぞというポイントで的確なオノマトペが使われると、その文章は鮮烈な印象を与えるもの。たとえば私の記憶には、江國香織が雨を眺めているときの心情を綴った、「胸がすーんとした」という不思議な表現が強く残っています。

日本語は欧米諸国の言語に較べると、とびきりオノマトペが多いのですって。その数は英語の3倍以上とか。日本語の発音は、英語などの子音の豊富な言語に較べて音が少なく、その分をオノマトペで補っているという説を聞いたことがあります。
 
沈黙をあらわす擬音さえも、日本語には存在するのですよね! 「しいん」と静まりかえる。「しーん」のほうは手塚治虫の発案だそうで、「しいん」は国語辞書に載っていますが、「しーん」のほうは載っていないのでした。

そう、オノマトペなしでは成立しない表現形式といったら、まんが。日本のまんがは世界中の言葉に翻訳されていますが、作者が編みだす独創的なオノマトペがどう翻訳されているのか興味を惹かれます。

071208kawag1.jpgなぜこんなことを書いているかというと、最近購入した擬音語・擬態語辞典が面白かったから。眠っているときのオノマトペ「くーくー」と「ぐーぐー」と「ぐーすか」のニュアンスの違いなんて、ご存じでしたか? 
くーくーは鼻息の音、ぐーぐーはいびき、ぐーすかはいびきと寝息を交互にたてているのですって! 「くー」がいびきで、「すか」が寝息なのでしょうか。

カフェでそんなことを話した翌日、擬音語占いというのを友だちに教えてもらいました。私を擬音語で浮キと「ぬーん」ですって。どういう状態ですか! ちなみに友人は「ぷ~ん」でした……。

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2007年11月30日(金曜日)

樹のような人に聞いた、樹の気の話

東京カフェマニア主宰 川口葉子

肩こり解消のため、鍼の先生にお世話になりました。よく知られているクラシックギタリストも、突然手が動かなくなる危機に見舞われた際に訪れたという治療室です。

鍼を打ち終えたあと、先生はあおむけに寝た私の後頭部に両手をあてて尋ねました。
「いま、テンとつなぎますからね、待っててください。なにか感じますか?」
「……いいえ、感じません。点をつなぐというのは、ツボとツボを結ぶということですか?」
「いやいや、空の“天”の気とつなぐんですよ。まだつながっていませんから、感じないでしょうね」
「なにが、天の気とつながるのですか?!」

先生によれば、天のエネルギーと先生とを見えないパイプでつなげて、天の“気”を私の身体に流し込むのだそうです。つながるには空で輝くエネルギー、たとえば太陽をイメージすればいいのですって。その瞬間、先生は頭頂部にぴりぴりっとした微弱電流のようなものを感じるので、「いま、つながった」とわかるのだとか。

横たわったまま目を閉じていたら、私の頭のてっぺんから首、鎖骨にかけて、1本の太い芯のようなものがまっすぐに打ち込まれたイメージがふっと浮かんできました。

そんな時間のあいだに先生が話してくれたのは、樹木というものの偉大さ。若い樹はまだエネルギーが弱いけれど、百年以上の歳月を生きてきた古木は素晴らしいエネルギーに満ちて、魂のようなものを持つ存在になっているといいます。

071130kawag.jpg「樹齢百年を超えた樹の下に立って“気”でつながれば、会話を交わすこともできるんですよ」
「樹が、言葉を伝えてくるのですか?」
「いや、伝わってくるのは純粋なエネルギーそのものです。それを受け取る人間の脳が、自分が理解できる言葉に翻訳するんでしょうね」
「樹はどんなことを言うんでしょう」
「素晴らしいですよ。彼らはその土地を守り、幸福にするために尽くしている存在です。自分はなにも求めない。大地やまわりの生きものに豊かな自然のエネルギーを分け与えるために、じっと動かずにその場所で生きつづけている、というのが伝わってくるんです」

先生が住んでいる町の駅前には150歳のクスノキが繁っていて、先生の気持ちがあまりにもそのクスノキに同化しているため、家族には「死んだらあの樹の根もとに埋めてほしい」と頼んでいるのですって。

長身痩躯で優しい風貌をした先生。白い簡易ベッドから起きあがって先生の顔を眺めたら、たしかにその姿が1本の樹木めいて見えてきました!

(写真は沖縄の濃い緑につつまれた、素晴らしい自家製天然酵母のパンをつくっている宗像堂ベーカリー。中庭が小さなカフェになっていて、買ったパンを食べることができます。このお店もみずみずしい樹々のふところで守られているのですね)

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2007年11月27日(火曜日)

渋谷の音の風景

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071127kawag.jpg渋谷駅の改札口を出てハチ公前の交差点に立つとき、生理的な嫌悪感で鳥肌が立ってしまうことがありませんか。

理由は、複数のビルの巨大スクリーンが、てんでに大音量でひどい音質の音楽を強制的に聴かせるから。
無意味な音と音とが頭上でぶつかり合い、神経をいらだたせる騒音のスプレーと化します。耳が拷問されているように感じて、思わず両手で耳をおおってしまいます。いったいあのスクリーンは、誰にむけて、なにを訴えたいのでしょうか?

耳に飛び込んでくる音に注意を払いながら街を歩くと、目が見ている風景とはまた違った街の風景が浮かんできます。
たとえば、目がショーウィンドーに美しくディスプレイされたブランドの新作バッグを捉えているとき、耳に入ってくるのは2軒隣のドラッグストアの店頭の呼びかけの声と、だれかの携帯電話が鳴る音だったりします。

聴覚による渋谷の地図を書いてみること。私のささやかな計画のひとつです。

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2007年11月18日(日曜日)

山あり谷あり…の途中

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071118kawag.jpg4日間を沖縄で過ごして、さきほど東京に戻ってまいりました。ばたばたの更新で申しわけございません。

小さなレンタカーをよろよろと走らせて、沖縄のカフェを署伯ャ訪れました。京都や奈良には町屋を改装したカフェが多いように、沖縄には古い外人住宅を改造した、かの地ならではの空気感を持つカフェが増えていて、その洗練ぶりに驚かされます。

旅といえばストライクス・アンド・ガーターズ。旅をしているあいだは、ストライクで大喜び!なものに出会ったり、ガーターで無言……のできごとに出会ったりの連続です。

人生もストライクとガーターの連続ですが、伝統的な言い回しをすれば「人生山あり谷あり」ですよね。帰りの那覇空港のロビーで、ふと、のぼり坂をのぼっているときは苦しい、くだり坂を下りているときは楽なものだという考えが脳裏をかすめました。苦労をしている時期って、じつはのぼり坂の途中だったりするのかもしれませんね。

写真は那覇のメインストリートの歩行者天国で出会った子どもたち。シャボン玉を浴びて踊ったり、アスファルトの上にいっしんふらんに絵を描いたり。眺めているだけで、チョークを持つ手に伝わってくるアスファルトの固くごつごつした感触が甦ってきました。

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2007年11月10日(土曜日)

プラチナ色のミストをまく人

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071110kawag.jpg人間はそれぞれ独特の空気を身にまとっているもの。まれに、全身をとりまく空気がとても強いと感じさせるひとに出会うことがあります。そばに近づいていくと、そのひとの空気と、私の空気の境界が触れあうときに、「ごつん」と固い音がするような気がします。

先日初めて、その反対の体験をしました。いつのまにか相手の空気に柔らかく包みこまれている、という感覚。包みこみ方があまりにも自然なので、そのひとと別れてからやっと、今までミストサウナのような繊細で気持ちのいい霧に包まれていたのだと気がついたのです。

そのひとがクリスタルボウルで音楽を奏でたりする姿からは想像もできませんが、ご本人によれば「前職は快楽追求系雑誌のライターでした」とのこと。しかし、いつのまにかライターの仕事とは縁が切れ、引き寄せられるようにして現在の生活に落ちついたようです。

じつは自分自身について正確に話すことが苦手な私ですが、そのひとと会話を交わしていると、苦もなく正直な言葉が出てきます。そして別れてから、彼の全身から光のように細かく降り注ぐミストに、しっとりと包まれていたのだと気がつきました。目を閉じて思い返すと、精妙なミストにはプラチナ色に輝く粒子が混じっていたように感じられました。

そういえば、かつて気功の先生が教えてくれたことのひとつに、気のエネルギーの「質」の違いがありましたっけ。先生が手のひらをこちらに向けるたびに、私の両手や両脚は電流が流れたようなびりびりした感じを受け取るのですが、「もっと馴れてくると、あまり感じなくなりますよ」と先生はおっしゃるのです。それは逆ではないでしょうか? 馴れるほど敏感になって、たくさんのことを知覚するようになるのでは?

「肉体に作用する<気>は、大きく粗く振動するヴァイヴレーションなのでわかりやすいのですが、精神に作用する<気>はもっと繊細に振動しています。<気>の質が玄妙になればなるほど、受け取っても感知しにくいんですよ」

先生の言葉が本当だとするなら、初心者の私は、先生が同時に発していたさまざまな種類のエネルギーの中で、肉体に作用するものに反応していたんですね。体験して初めて、ああそうだったのかと腑に落ちることのなんと多いことでしょう!

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2007年11月04日(日曜日)

お詫び

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071104kawag.jpg急用で1日中、外出していなければならず、戻ってみればこんな時間に。茶飲み日誌を書くことができませんでした。ごめんなさい。

お詫びに印象的な夕陽の写真を。
西空に巨大な波がひとつ、音もなく打ち寄せているように見えます。静かに、ひたひたと、誰も気づかないうちに世界を覆いつくす波。


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2007年10月27日(土曜日)

闇から放つ光。イマジン・ピース・タワー

東京カフェマニア主宰 川口葉子

懐中電灯を夜空に向けて、星を照らしてみました。
子ども時代の夏休み、高原に旅行に出かけた夜のことです。
電池がともす弱々しい光は、わずかに頭上の樹の枝を照らしただけ。
その光が星まで届くなどということは、もちろんありえないと
子どもだった私にもよくわかっていました。

でも、もしこの懐中電灯を百億本集めて、
地球から百光年離れたところにある惑星に向けて、照らし続けたら? 
私は夜道を歩きながら想像しました。
百年後、その惑星に住む生きものが夜空を眺めていたら、
地球でちかっと光った針の先ほどの光を見るかもしれない
……なんてことを、いつまでも考えて。

071027kawag.jpg今年10月、オノ・ヨーコがジョン・レノンの遺志をついで制作したモニュメント「イマジン・ピース・タワー」が、アイスランドの首都レイキャビクに完成しました。
このタワーは純粋に光だけから作られている光の塔。台座には24ヵ国語で“IMAGINE PEACE”という言葉が刻まれ、「願いの井戸」と呼ばれる直径4メートルの円筒から、15本の青い光線が空にむけてまっすぐに放たれているようです。

塔の地下には、世界中の人々からオノ・ヨーコに寄せられた“Wish(願い)”がおさめられているそうですが、この“Wish”はオノ・ヨーコがこれまで各国で展示してきたアート“Wish Tree”に、訪れた人々が短冊を書いてつるしたもの。

数年前、水戸芸術館でオノ・ヨーコの大規模な回顧展「YES オノ・ヨーコ展」がおこなわれたとき、夫と私もこのウィッシュ・ツリーの横に用意されていた短冊に願いを書いて、なにげなくツリーにつるしてきたのです。

……ということは、私たちのささやかな平和の願いもいま、レイキャビクの光の塔の下に埋められ、たくさんの人々の切なる願いとともに、夜空にむかって青色の祈りを捧げているのでしょうか。

闇の中から、空を照らす光。ピース。

※IMAGINE PEACEの公式サイト(英語)では、光の塔とオノ・ヨーコのコメントを動画で見ることができます。
イマジン・ピース・タワーに寄せるオノ・ヨーコの日本語メッセージと光の塔の大きな写真は、DreamPowerのサイトで。


想像しなさい。
千の太陽が
いっぺんに空にあるところを。
一時間かがやかせなさい。
それから少しずつ太陽たちを
空へ溶けこませなさい。
ツナ・サンドウィッチをひとつ作り
食べなさい。

   『グレープフルーツ・ジュース』より
   オノ・ヨーコ


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2007年10月21日(日曜日)

トリュフ犬のカフェ時間

東京カフェマニア主宰 川口葉子

071020kawag1.jpg写真は有楽町イトシア(ITOCiA)&有楽町マルイの内覧会で試食させていただいた「茶寮花絵[Hanae]」おすすめの特製花絵パフェ。「リストランテ・アルポルト」の片岡護シェフがプロデュースする和のカフェです。

* * *

用事があって初めての街へ出かけるときは、嵐闔檮盾謔・0分ほど早くその街に到着するのが好きです。もちろん、その街でコーヒーを飲むために。

駅前通りを見まわして、小さなカフェが紛れこんでいそうな一角に見当をつけ、適当にぶらぶら歩いてみるのです。長いことそのような習慣を楽しんでいると、カフェをダウジング(!?)する嗅覚、もしくはトリュフ犬の鼻のようなものが備わってきて、あのあたりにカフェがありそう、と嗅ぎ分けることができるようになりました。発見したカフェが素敵であるかどうかは、また別の問題ですが。

071020kawag2.jpg今日も初めての街でカフェをみつけ、蘭オた時刻までの20分間を、シフォンケーキとコーヒーをいただきながらのんびり過ごしました。そうして、自分の部屋にいるときはしない作業を始めたのです=レシートやカードで膨らんだお財布の整理。

どうしてカフェに座っていると、部屋では決してていねいにしない作業をひとつひとつていねいにおこなえるのか、いつも不思議でなりません。カフェでくつろいでいるときの心の余裕と時間の余裕が、ふだん面倒くさがっていることを、面倒と思わせないのでしょうか。

そんなわけで、午後に外出するときは、出がけにマンションの郵便受けをのぞき、毎度どっさり放り込まれているダイレクトメールや請求書や大切な手紙などを取り出し、バッグの中に入れて出発します。カフェでカプチーノを飲みながらゆっくり開封すると、部屋にいるときは開封もせずにゴミ箱に捨ててしまうダイレクトメールも、ざっと目を通す気分になるから不思議です。

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