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2009年08月07日(金曜日)

先生のお菓子

東京カフェマニア主宰 川口葉子

子どものころに10年間お世話になったピアノの先生。ご夫婦でピアノを教えていらして、今年のお正月に奥さまのほうが亡くなられました。そのお葬式にうかがって以来、ご主人の先生と葉書をやりとりするようになりました。

先生からの葉書には、いつも細かな文字で、奥さまとの思い出がびっしりと綴られています。二人で仲睦まじく寄り添って生きていらしたご夫妻ですから、ご高齢になって奥さまに先立たれた悲しみは深く、どんな慰めの言葉も、その悲しみのありかまでは届かないのだと思い知らされています。

先日、その先生から、クール宅急便で小さな包みが届きました。中には小さなねりきりがひとつ。先生がお作りになったのだそうです!

090807kawag.jpg私は京都から、とある美しいカフェでいただいた和菓子のイラストを添えて先生に葉書を送ったことがあるのですが、先生はそのイラストに発想を得て、ご自身でねりきりを作られたのだそうです。表面の花は紫陽花をかたどったもの。クチナシと野菜色素で色づけてあります。

もちろん白あんも手作りで、いつもの作り方だとあんが薄茶色になって白くならないので、東京に支店のある金沢の和菓子屋さんの職人に尋ねて、「長時間コトコトと煮つめていくとだんだんに白くなっていく」ということを教わったそうです。その和菓子店は合成着色料や添加物のたぐいはいっさい使わないのだとか。

もったいなくて食べられない…と思いつつ、たいそうおいしくいただきました。その前に写真におさめて。

あとから届いた葉書には、奥様が先生の作られるねりきりが大好物だったことが綴られていました。もう二度と作ってあげることができなくて寂しいと。季節が一巡するころには、果てのない嘆きもいくらかは薄れますようにと、祈るばかりです。

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2009年07月24日(金曜日)

究極の桃の冷製スープと、聴き耳をたてるカップ

東京カフェマニア主宰 川口葉子

果物の女王さまベスト3は、石垣島のアップルマンゴー、山形の(高級品すぎない)野性味のあるさくらんぼ、そして白桃だと主張してやまない私に、みごとな白桃をたくさん送ってくれた人がいます。

おかげで毎日の朝食に、大好きな桃の冷製スープを、さまざまなレシピで作って楽しむことができました。コンソメを加えて食事向きの味に仕上げるレシピから、はちみつで甘みを強調してデザート風に仕上げるレシピまで、世の中には本当にたくさんの桃の冷製スープの作り方があるのです。

たぶんレシピ作者の誰もが「この味が最高!」と思っているはずですが、そこにもうひとつ、私がたどりついた「これが最高!」をつけ加えたく思います。

090724kawsag.jpg 桃 …1個 
 プレーンヨーグルト …桃の半量 
 生クリーム …大さじ2
 ピーチビネガー …小さじ1~2

使う材料はなるべくシンプルにして“桃っぽさ”を残し、ピーチビネガーを加えるのがオリジナル。少量の甘酸っぱいビネガーが、驚くほど味に深みを与えてくれます。

DEAN&DELUCAの調味料の棚に並んでいたフランス・VILUX(ビールックス)社のピーチビネガーの小瓶を手に取り、桃スープに加えることを思いついたのですが、試してみたら大正解でした。

本の締切に追いつめられているので、毎朝の桃スープづくりで気分をリフレッシュしています。

余談ですが、桃スープ専用に使っているのは、青山のオルネ・ド・フォイユで買いもとめたアスティエ・ド・ヴィラットのショコラカップ。見た瞬間に、「耳がついている」と思ったものです。取っ手のカーブが、大きさといい形といい、あまりにも人間の耳にそっくりではありませんか。

このカップをテーブルの上にのせていると、夫と私のなんでもない会話や音楽やキッチンの物音に、カップが聴き耳をたてているような気分になってくるのです。

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2009年07月17日(金曜日)

アーモンドカフェに3人の美女

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090717kawag2.jpg7月14日からアーキテクトカフェを舞台に、期間限定でスタートした「からだにE!カリフォルニア・アーモンドカフェ」。

オープンに先立ち、山口もえさん、『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)の著者エリカ・アンギャルさん、山咲トオルさんという美女(?)3人を迎えて、メディアイベントがおこなわれました。

エリカ・アンギャルさんは2004年からミス・ユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントとして活躍し、日本代表の女性たちを“世界の美のステージ”のトップへと育て上げてきた人。

「世界中でいちばんスキンケアに高額のお金を投じているのは日本の女性。2位はフランスの女性です。日本の女性はフランスの女性に比べて、2倍もの金額を使っているんですよ。それなのに、食事はコンビニの100円のおにぎり(笑) 美しさはからだの中から作られるのです」

……と、食べるものの大切さを強調したアンギャルさん。高価な化粧品よりも、栄養バランスのとれた食事をするほうが、しっかりと内側からお肌を美しくしてくれるのですって。

そのために推薦されたのが“天然のサプリメント”であるアーモンド。1日23粒のアーモンドを食べれば、若さを保つのに必要なビタミンEが必要量摂取できるのです。ビタミンE、オレイン酸、食物繊維、ミネラル、ビタミンなど、アーモンドは良質の栄養素の宝庫。

アンギャルさんは空腹なときに気軽なおやつとして食べられるように、アーモンドを可愛いケースに入れて持ち歩いているとか。

090717kawag1.jpgカフェでは7月31日までの期間限定で、ランチメニューとして料理研究家・浜内千波さん考案の「夏のアーモンドランチプレート」2種類がいただけます。ドリンク、サラダバー付きで1,280円。

【アーモンドライスプレート】
ごはんとアーモンドの意外な組み合わせが楽しい、冷たいライスサラダ。

【アーモンドパスタプレート】
生姜を効かせたパスタと緑野菜のシンプルな味に、アーモンドの香ばしさをプラス。

このランチメニューのスペシャルなお楽しみは、どちらのプレートにも1日に必要な量のアーモンドと、専用のアーモンドケースが付いてくること。アーモンドに含まれる良質の油は、からだにたまった悪い油のデトックスに有効で、ダイエットに最適なのだそうです。うっかりケーキに手をのばさないように、私もアーモンドを持ち歩くことにしました! 

カリフォルニア・アーモンドカフェ青山
港区南青山2-27-18 青山エムズタワー2F アーキテクトカフェ青山店
TEL 03-5771-2570

カリフォルニア・アーモンドカフェ汐留
港区東新橋2-14-1 コモディオ汐留 アーキテクトカフェ汐留店
TEL 03-5733-4231

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2009年07月10日(金曜日)

『おと・な・り』…基調音

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090710kawag2.jpg  「初めて好きになったのは、
  あなたが生きている音でした」

そんなナレーションの予告編が印象的だった映画『おと・な・り』を、恵比寿ガーデンシネマで観てまいりました。

エンドロールの真っ暗なスクリーンから聞こえてきたのは、主人公ふたりの言葉でした。このごろ劇場で観た映画のなかで、もっとも幸福にイマジネーションを刺激されたエンドロール。場内のあかりが点灯するまでにちょっと長めの間があって、映画の余韻を深めてくれました。

物語の舞台は、かつての同潤会アパートを思わせるような古めかしく風情豊かなアパート。隣りあわせの部屋に住んでいながらお互いの顔も知らない男女が、日々、壁ごしに相手がたてる音を感じながら生活しているうちに、相手の気配に心惹かれていくといういうストーリーです。

ときに、騒々しくて迷惑。ときに、ふっと頬がゆるむ、お隣の音。

090710kawag.jpgスクリーンからは、ふたりがたてるさまざまな生活の音が響いてきます。私の耳にとりわけ快く響いたのは、カメラマン役の岡田准一が重たそうな手挽きのミルでゆっくりとコーヒー豆を挽く音でした。
音が香りの記憶を刺激して、挽きたてのコーヒーの深く柔らかな匂いに包まれているような錯覚に陥ったのです。

余談ですが、彼は映画の中で青色の餃子を食べさせられていて、ちょっとお気の毒。しかも「うまいよ!」と絶賛しなくてはいけないのです(笑)

基調音。映画のなかでその言葉は、「いつもそばにあって、ないと寂しく感じる音」と説明されていました。あらためて、私の生活にどれほどコーヒーが入り込んでいるかを思うことになりました。
風味や香りのみならず、コーヒーやエスプレッソを淹れる音までも、無意識のうちに「ちょっと嬉しいもの」として感じていたのですね。

活気のあるカフェやバールの店内でずっと響いている音--高性能なグラインダーがコーヒー豆を細かく挽いていく音や、銀色に輝くエスプレッソマシンが勢いよく蒸気を噴出させる音は、その空間を愛する人々にとっては何よりも心やすらぐ基調音。
もしもカフェにあの音がなかったら…と想像すると、ずいぶん寂しい気がしますね。

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2009年07月04日(土曜日)

日本橋「たいめいけん」とタコの謎

東京カフェマニア主宰 川口葉子

5,6年ぶりに日本橋の老舗洋食店、たいめいけんを訪れました。かつて私は日本橋からそう遠くない会社に勤務していたので、伊丹十三とのエピソードが残る「タンポポオムライス」も、芝海老オムライスも、昔ながらのプレーンなオムライスも食べたことがあったのですが、夫が「たいめいけんのラーメンを食べてみたい」と言い出したのです。

不思議なことに、ラーメンもたいめいけんの古くからの名物のひとつで、初代オーナーが現オーナーに「ラーメンは決してメニューから消してはいけない」と言い残したのだとか。

090703kawag.jpgお店の正面入り口ではなく、通りを入った側に「麺」というシンプルな看板が出ていて、そこが立ち食いラーメンコーナー。もっとも、たいめいけんの中でつながっていて、テーブル席に座ってラーメンを注文することもできるのですが。
私たちは芝海老オムライスと、名物の50円コールスローと50円ボルシチを完食したあとで、デザートのようにしてラーメンをいただきました! 

昔ながらの“東京ラーメン”とはこういう味だったのか、と新鮮な気持ちで楽しめるラーメン。澄んだスープのあと味が、とても甘いのです。

初代オーナー・茂出木心護さんの、いかにも江戸っ子らしい洒落と料理人話が楽しめる本『たいめいけん よもやま噺』を読んでおりましたら、「三日もラーメンを食べないともう恋しくて恋しくて……」と題したページに、このラーメンのスープのとりかたが語られていました。
豚のもも肉、豚骨、鶏ガラ、玉ネギ、ニンジンを使って、コトコトと5時間ほど煮るのですって。

同じページに、昭和3年の「泰明軒」(初代オーナーが奉公した、日本における洋食屋さんの草分け)のラーメンの恐ろしいエピソードが紹介されています。昭和3年当時は、麺を打つのに使う「かんすい」が高価だったので、安い十銭の洗濯ソーダを使っていたのだとか。結びの言葉がふるっています。

 「今から思うとぞっとしますが、
 それで何ともなかったんですから、
 昔のかたは、心身ともにご丈夫だったと思っております」

さて、たいめいけんの建物には、もうひとつ「凧(たこ)の博物館」という小さな看板が出ていて、同じビルの5階に多数の江戸凧が展示されています。

たいめいけんと凧にどのような関係があるのだろうと思っていたら、この『たいめいけん よもやま噺』のなかで茂出木心護さんが自身の凧マニアぶりが語っていました。巴里(パリ)の凱旋門の上で凧をあげるのだといって、江戸凧持参でフランスへ!

そんなこともあって、茂出木さんは結婚式のスピーチを頼まれると、「亭主操縦のコツは凧あげの要領と同じ」などと披露したのですって。

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2009年06月26日(金曜日)

にがしぶダイエット

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090626kawag.jpg『レタス1枚でやせ体質になる!~にがしぶダイエット』の著者、いがらし ゆららさんから著書を送っていただきました。減量という観点からも、食育という観点からも興味深い本だったのでご紹介しますね。

このダイエットの実践方法はとてもシンプルです。

(1) 食事ごとに、一度だけでいいので「苦味と渋味(=にがしぶ)を感じる」
  ↓
(2) 眠っていた味覚がよみがえる
  ↓
(3) 太る原因の甘味(おもに砂糖や油)を自然にとらなくなる

これだけ。毎食ごとに「生のキャベツの苦味っておいしい」「レタスの苦味っておいしい」などと、脳が感じればいいのですって。

つまり、味覚を洗練させ、食べものをきちんと味わう経験値を上げることによって、偏っていた食生活をバランスのとれた食生活へと改善し、自然に減量できるという方法なんですね。食事がわりにお菓子を食べてしまう、とか、スナック菓子がやめられない…ということが原因で適正体重を越えてしまった人々には、とても効果的なのではないでしょうか。

「チョコレートはやせる食べ物だ!」というページには、こんなことが書かれていました。
--「チョコレート」と「チョコレート菓子」の違いを知っている人は意外にいません。チョコレートのカロリーが高いのは、たっぷり加えられている糖分や脂肪分のせいであって、チョコレートに含まれている苦味成分のせいではありません。

お菓子の箱の裏をチェックして、原材料の欄を見ると、ほんもののチョコレートなら「カオマス」が最初か2番目に表記されているはず。それからココアパウダー、ココアバターなどが続きます。
一方、安価な「チョコレート菓子」の場合、原材の筆頭は砂糖、乳製品、植物油脂…。

しっかりと苦味成分を含むほんもののチョコレートを選べば、食生活の改善に役立つのですね。詳しく知りたいかたは、書店で本をご覧ください。

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2009年06月19日(金曜日)

『カフェに教わるおいしいごはん』発売になりました

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090819kawag1.jpg6月18日、『カフェに教わるおいしいごはん』(宝島社・880円)が発売になりました。
月刊スプリング誌に私が連載してきたコーナー「カフェに教わるレシピ」の2年間分の掲載をまとめて収録。さらに20軒以上のカフェを新たに取材し、キッチンにおじゃまして教えていただいたお料理やドリンクを収めてあります。

もうずいぶん長い連載で、これまでにも何度かムック化されてきたのですが、今回初めての試みは「インテリア」「コーヒー・紅茶・日本茶」にスポットを当てた特集コーナーを設けたこと。後者では、それぞれの飲みもののおいしい淹れかた、アレンジのしかたを各カフェに教えていただきました。

090819kawag2.jpg写真右上のカフェは、吉祥寺の「お茶とお菓子 横尾」。
拙著『カフェの扉を開ける100の理由』でもご紹介させていただいた美しい空間ですが、半年ほど前から、もうひとつ小さな部屋が増えて、広くなっています。同じ建物の隣に入っていた小さな店舗が空いたので、横尾と壁をつなげてひとつづきの空間にしたのですって。
横尾には「比内地鶏のそぼろごはん」と「焼き鮭のまぜごはん」の作りかたを教えていただきました。

写真は5人のカメラマンが担当。基本のトーンは統一しながらも、カメラマンによって、やはり撮り方に少しずつ個性が表れるのが面白いものですね。

撮影のあいまの待ち時間に、カメラマンと編集者と3人で、「今回、撮影後に試食したなかで最もおいしかった料理はなに?」「最もキッチンが狭くて、撮影が大変だったカフェはどこ?」なんていう茶飲み話をして楽しみました。
限られたスペースのなかで、最大限の合理化をはからなくてはいけないカフェのキッチン。2人並んで立つことのできないほど小さな厨房もあるのです。

写真右の下のページは、松陰神社のCafe Lottaで教えていただいた「ゴルゴンゾーラと栗のペンネ」。昨日、別の撮影で再会したした女性カメラマンが「私が撮影したなかでは、これが最も忘れられないおいしさでした」とコメントを聞かせてくれました。

巻末には各カフェのご紹介とショップデータも収録して、カフェのガイドブックとしてもお使いいただけます。ぜひ書店やAmazonでご注文くださいますように!

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2009年06月12日(金曜日)

神楽坂の路地歩き~カグラザカヨコロジー

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090612kawag.jpg小さな美しい日本茶カフェ、茜や(あかねや)さんから、「カグラザカヨコロジー」のお知らせが届きました。素敵な催しなので、ぜひ皆さまにもお伝えしたく思います。

「散歩でめぐる一日世界旅行 in 神楽坂」をテーマにしたカグラザカヨコロジーは、神楽坂の路地にある個性豊かな雑貨店、カフェ、ギャラリーが、6月だけの期間限定で「世界の各国に変身します」というもので、路地歩き=各国めぐりのための素敵なパスポートが作られています。

茜やさんには6月19日(金)から21日(日)までの3日間、チェコの古い絵本を中心に、東欧の雑貨や日本の古い絵本が並びます。
カドは同じ3日間が「中国茶と月餅期間」に。中国茶と手作り月餅のセットは14時~16時の限定でいただけます。

昼行灯ろびん、赤提灯ろびんは、19日(金)から26日(金)まで、「何もなくても豊かな島~カオハガン」と題してフィリピンの島に変身。写真展示、グッズ販売、カオハガン島の料理人直伝のメニューが用意されるそうです。
マンヂウカフェmugimaru2のテーマはメキシコ。20日(土)19時からはメキシカンフード付きでマリアッチのライブですって。mugimaru2のことは拙著『カフェとうつわの旅』でもご紹介させていただきましたが、お店にいる銀色の美猫の名前はマツ子さん。捨て猫だったそうですよ。

それから、日本橋の素晴らしいギャラリーカフェ、馬喰町ART+EATと同じ古いビルに入っているドイツ雑貨のお店「MARKTE」が期間限定でギャラリーにやってきたり、手仕事の器ラ・ロンダジルがパリのプチ・マルシェになったり……ほかにも、楽しい催しがもりだくさん。

来週末のスケジュールは神楽坂の路地歩き。いらっしゃるかたは、15店舗の参加店のうちのどこかで、パスポートをいただいてくださいね。各店舗でシールを集めると世界地図が完成するようです。

▼詳細は期間限定カグラザカヨコロジーのblogで。

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2009年06月07日(日曜日)

麺のない国の料理はまずい?!

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090607kawag1.jpg再び1週間ばかり京都に滞在してきました。あちこちのカフェでお話をうかがうなかで、お店の人から何度か名前が出たのがRabbit Coffee(ラビットコーヒー)。休憩しにいくのはRabitt Coffee、なんでもない喫茶店のたたずまいが魅力なんです、と。

そのRabitto Coffeeのオーナー高橋さんは、もとレコード会社勤務。旅好きで、アーティストのレコーディングに同行するのと個人の旅行で、これまでに世界をほぼ2周!という体験の持ち主です。お話が楽しくて、ついカフェに関係のないことばかり質問してしまいます。

そんな高橋さんの持論のひとつは「麺のない国の料理はまずい」! 彼にとって、世界三大美味はイタリア料理、中華料理、日本料理で、いずれも料理のなかで麺というジャンルを発達させてきました。

「イギリス料理がまずいのも、伝統的なフランス料理が落ち目なのも、麺がないからです」

高橋さんによれば、洗練された日本の麺のなかで最もおいしのが、なんと、カレーうどん。それも、うどんを中華麺に変更した「カレー麺」は京都がすばらしいのだそうです。メニューを見回して中華そばがあるお店では「カレーうどん、麺は中華麺で!」とオーダーするのが正解。

「東京はものごとを凝った方向に洗練させてしまうから、カレーうどんにもアジア系のスパイスを効かせすぎたり、これではフォーだ、というようなカレーうどんになってしまうんです。古奈屋もそうですね」

090607kawag2.jpg高橋さんにとって、正しいカレーうどんのカレーは“うどん屋の作るカレー”でなければならないのです。それがきちんと継承されているのが京都。

「京都は、いろいろな味が古い時代に完成した町だから」と高橋さんは分析します。新奇な味は導入せず、昔ながらの味を守りつつ洗練させていくのでしょう。

カレーうどんなんて数年前に古奈屋で1度食べて以来だったのですが、Rabitto Coffeeでそんなおもしろいお話を聞いたらむしょうに食べたくなり、三条京阪駅前で目についた「みや古」といううどん屋さんに吸い寄せられるように入ってしまいました。

地味な店構えの小さなお店ですが、入るなり迎えてくれたのは、「自家製玉子麺(中華麺)カレーそば:売り切れ御免」の札! もしかして京都では、カレー中華麺が流行中なのでしょうか?

もちろん、注文したのはカレー中華そばです。たまご味のしっかり効いた中華麺に、“だし文化”の発達した国ならではのカレー。カレーにたまごを落としたのと似たようなマイルドさになるんですね。そして、カレーに浮かぶ国産牛肉のやわらかなおいしさ。なるほどなるほどと、感心しながら食べたのでした。

みや古の店内には、市田ひろみさんから贈られた「本当においしいカレーうどん!」という額が飾られていました。

Rabbit Coffee(ラビットコーヒー)
京都市中京区河原町御池下ル 福三ビル2F
TEL 075-255-7163

みや古(みやこ)
京都市東山区三条大橋東入ル二町目79
TEL 075-771-4905

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2009年05月29日(金曜日)

CAFE USEの琥珀玉!

東京カフェマニア主宰 川口葉子

090529kawag.jpg雑誌の取材で下北沢のCAFE USEにおじゃましたときのこと。
ファイヤーキングのカップとソーサーが並ぶカウンターに立った店主の古市さんに、コーノ式ドリッパーでコーヒーを淹れる手順を説明していただきました。

その途中で古市さんが口にした言葉が、私をとらえたのです。「琥珀玉」と。

「コーヒーをドリップしている最中に、よく琥珀玉が見えるんです」

琥珀玉とはいったい?! 編集部の人とカメラマンと私は、いっせいに古市さんの手元をのぞきこみました。
ドリッパーの穴から、コーヒーが数滴ずつサーバーにしたたり落ちていきます。

「まだ、見えないですよ。もうちょっとコーヒーがたまってきたら」
「何が見えるのですか」
「コーヒーの表面を、琥珀色の玉がころころと転がるんです。なんとか大学の先生の研究によれば、琥珀色の玉が走るのは、コーヒー豆の焙煎や挽き方がうまくいっている証拠なんだそうですよ」

それはぜひとも目撃しなくては。3人そろってコーヒーの表面を凝視して、ほぼ同時に声をあげました。
「あ、今の?!」

直径2mmくらいの小さな琥珀色の玉が、コーヒーがしたたり落ちる真下に出現したかと思うと、流れ星のようにコーヒーの表面を転がって、ガラスにぶつかり、消えていきます。ひとつぶ現れては消え、2,3つぶ続けざまに現れては消え……。

「撮ってください!」
いきなり私に懇願されて、カメラマンは連写状態。でも、琥珀玉が小さすぎるのと速すぎるのとで、なかなかうまくいきません。
その光景は本当に流星群のようでした。琥珀玉が消えるまでに願いごとを唱えれば、なんでもかないそうな。

右の写真が、このときカメラマンがとらえてくれた琥珀玉です。(片岡さんありがとう) 

自宅に戻ってから、さっそく自分でもコーヒーをドリップして確認してみると、出現しました、琥珀玉。おいしいコーヒーのシンボル。夫を呼んで見せてあげました。

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