
2005年02月14日(月曜日)
バレンタインデーにちなんで
スタイリスト 城素穂

私が初めて、バレンタインデートにこぎつけた時の話し。
夜を徹して作ったチョコレート、固まった頃にはすでに朝6時をまわっていた。「さあ、これを持って、夜のデートに備えよう!」と意気込んで、ふっとラッピングを考えていなかったことに気が付いた。もう時間もないし、とっさに、家に転がっていた茶筒に出来たてのチョコレートをコロコロ入れて、キレイな色の輪ゴムで留めて‥‥、苦肉の作だった。
そして、ドキドキして望んだデート。コーヒーよりお茶派の私は、いつも通り紅茶を注文。緊張のあまり、うまく話が続かず、沈黙のたびに紅茶を啜っていた。みるみるうちに、お茶は減り、空のカップを啜るわけにもいかず、もう一杯注文。それでも、沈黙をやぶれきれず、私はどうでもいい話しを始めた。
私の母は、お茶が大好きで、何かにつけて「じゃ、お茶でも入れようかしら?」と、ほっと一息気
持ちを落ち着けるときは、必ずお茶を飲む人だ。そんな母が、お茶を飲みながらたまにする話し。
母が初めてお見合いをしたとき、あまりの緊張で、それをまぎらわすために紅茶を何杯も注文して
いた。案の定、母は何度もお手洗いへ行くはめになり、「ちょっと失礼‥‥」と、席を立つ母に対
し、お見合い相手は、「お茶は、利尿作用がありますからね。」と色気のない発言をしたという。ま
あ、その相手が、現在の父なわけだが‥‥。
そんな話しをする私が、もうすでに5回もお手洗いに立っていた。
その後のデートの結末は、また違うお話し‥‥。

2005年02月14日(月曜日)
箱入り娘たち(濫エ稿)
スタイリスト 城素穂

我が家はお茶が大好きで、親戚が集まっても、家に人を招いても、お酒よりお茶を出してしまう。
そんなわけか、どこへ行ってもとりあえず、お土産にお茶葉を買う傾向がある。
そうやって溜っていくお茶葉の棚にふと目をやると、なかなか洒落たケースが並んでいることに気が付く。どこかのお国のちょっとした箱入り娘たちだ。
右は、カナダのお土産でいただいたもので、メイプルの木で作った茶箱。メイプルの木の成分が、茶葉の保存に良いとか何とか‥。
中央は、上海の怪しいお茶屋で買ったジャスミン茶。ただの段ボールで作った箱にお中華っぽい紙が貼ってある。蓋の側面部分の柄が逆さになっていて、そこがまたモノ好きの心をきゅっと掴む。
左2つは、日本橋のお茶屋で見つけた茶筒。缶に千代紙を唐チたもので、缶の継ぎ目で蓋と胴体をカチッと閉めると、お見事!絵柄がぴったり合う。
さすが江戸前の職人技である。‥‥と、外見にうっとりしながら、「今日は、どこの娘を堪狽オようか‥‥ウッシッシ」と、怪しいおじさんな気分。

2005年02月07日(月曜日)
はじめまして、城素穂です。
スタイリスト 城素穂
「こちら、スーティ・ツァイです。」
先日、仕事仲間で行ったモンゴル料理屋で、最初にテーブルに出された、羊の乳のミルクティー。 小鉢になみなみと注がれたそれは、私好みの、お茶よりミルクの分量が勝った、薄べ-ジュ色のミルクティーだった。「うれしい!」と思って、口へ運ぶと、おっと、しょっぱい!割合で浮キと、お茶1:ミルク2:塩7!と、塩が主張ぎみ。
スタイリストとして、フード、インテリア、雑貨などいただく仕事は色々あれど、やっぱり食べ物絡みの仕事は面白い。「こんな食材の組み合わせってあり!?」「同じ食材でも切り方1つでこんなに味が違うの!」と、毎度毎度新しい衝撃を受ける。
冒頭で書いた体験は、朝日新聞の「暮らしの風」という冊子の仕事での一コマ。毎号、色々な国の料理を、普通の家庭で作れるようなレシピで紹介する『おうちで作る世界のレシピ』というページでスタイリングを担当しているわけだが、これがなかなか面白い。人間誰しも持つ三大欲求の1つである食欲を満たすための料理、とはいえ、その形状は、国によって様々で、料理の背景に隠されたその国の文化や歴史を垣間見ながら、食卓風景の想像を膨らませるのである。
モンゴルの人は、毎朝、このしょっぱいミルクティーを作って、大きなアルミ缶に入れて、一日に何諸tと飲むという。きっと、羊の乳の独特の臭みを隠すために塩を入れているのだろう?厳しい遊牧生活の活力供給の有効な方法として、飲み物に塩を入れるようになったのかな?と、モンゴル人の生活に思いを馳せると、自然と「この塩辛さも悪くないな」と、もう一杯お代りをしてしまうのである。
…おっと、自己紹介を忘れていました。
はじめまして、城素穂(じょうもとほ)と申します。スタイリストをやっております。お茶は、和洋中問わず好きです。きっと、このコラムを書くPCの横には、いつもお茶があるでしょう。どうぞよろしく…。