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2004年11月15日(月曜日)

中国茶には、浮世とは違う時間が流れる?

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

むらさきの茶壷私はある日、とある茶藝館(中国茶のキッサテン)にて、「とりあえず、ここのメニューにあるお茶、全部試してみたい」という思いを抱いたのでした(10/18日誌参照)。メニューに記された数々のお茶の名。そのむこうには、無数ともいえる、未知の香りたちがいる---。そのひとつひとつと出会っていこうというのは、かなり優雅な旅のよう。私はこの思いつきが気に入りました。仕事がびっちりのときなんかにかえって無性に、旅の続きをのんびり果たしたくなる今日この頃です…。

さて、当日誌火曜担当の玉木あずささんが、このプランに興味を持ってくださいまして、「ではご一緒しましょうよ。」ということに。例の茶藝館にて、お茶タイムをご一緒させていただきました。

お店の人が、「一煎目はお入れしますか?」と聞いてくれます。私は、もう何度か見せてもらっているのに、いつもお店の人に頼んでしまいます。中国茶を淹れるときにつきものの、茶壷にフタがされて、その上から惜しみなく湯が注がれるという様子。この光景を見ているのが好きなのです。湯は乾いた茶壷の楓ハを、みるみる透明な水の膜で包みこむようにして撫でていく。たっぷりと水浴びする茶壷は、なんとも気持ちよさげ。

玉木さんは暮らしまわりを扱うインテリアショップにお勤めの方なので、器ブランドなどお詳しいです。私はアルツベルグという磁器メーカーの某シリーズがとても好きなのですが、自分の知らない色があることなども教えていただき、ほくほく。そんな、ちとマニアックなところから始まったお話は、おまんじゅうを食べながら、縦横無尽に伸びていきます。

誰かとおしゃべりしながら中国茶をいただくとき、いつも思うんですけど、中国茶の茶杯って、魔術道具っぽい…。あの極端なちいちゃさも、いわくありげなムード(笑)。触れた人は皆、あれよあれよと何杯でも淹れてしまい、くいくいっと空けてしまい、また淹れてしまい、そのエンドレス動作を繰り返すうちに実は、エンドレスな悠久時間へと迷い込まされているのだー。なんて気がするほど、話やまず飲みやまず。

そんなふうに、武夷岩茶(ぶいがんちゃ)と出会ったこの日の楽しい旅も、暮れていきました。

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2004年11月08日(月曜日)

中国茶と合わせる美味しいスイーツ ・ その2

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

korokoro.jpgみなさま、こんにちは!スイーツライターのカワスギです。前回日誌にて(11/1日分)、「チンシャンさんオフィスで催されたお茶会で、中国茶とスイーツのマリアージュを体験してきました!さあみなさんもご一緒に♪」というお話をさせていただいていておりまして、それが途中なんですよね。今日は、「中国茶と合わせる美味しいスイーツ・その2」です。先週ご紹介した「さゝめさゝ栗 with 浙江龍井(せっこうろんじん)」に続けて、給していただいたものとは…。

2)「ポルボローネス with 東方美人

その琥珀色といい香りといい、紅茶にほど近い東方美人。このお茶と合わせるタイミングでお出しいただいたのは、田園調布・レピドールの「ポルボローネス」というお菓子でした。各自の前に配されたちいさな角皿の上には、ちょんちょんちょんと3色、愛らしいサイズのクッキーが並んでいます。口に入れて、一同、食感にびっくり…。柔らかに、脆く融けていく。その美味しさは、儚い一瞬の夢のような出来事なのです。

「これは…なんていうんだろう」「こういう感じのものは食べたことがないかもしれない」…またボキャブラリーが貧弱になる我々日誌執筆陣…(笑)。この稀有なお菓子がもったいなくて、皆、なかなか次の1個へと手を進めません。

3個をゆっくりと減らしながら、「これはどこの国のお菓子なんだろう?」という話になりました。簡単に出自を推し量れないほどに、馴染みのない食感だったのです。私は口の中での崩れ方に、ギリシャの伝統的なお菓子“クラビエス”をちょっと連想しました。これも、ほろほろとしたおいしさの焼菓子。ほどなくチンシャンの方が、このお菓子に添えられていた説明書きを持ってきてくださり、“ポルボローネスの原点はスペインの「ポルボロン」というもの”、と判明。地中海沿岸の人々は、こういったほどけるような口どけがお好きなのかな…?ほかに類するお菓子をご存知の方、ご一報いただけるとうれしいです。

なんにせよ、スペインと台湾の引き合わせは大成功。食べ合わせの妙を探るのって、なんだか壮大な試みですよね。世界中にきっと、それぞれ無数といえる食感・香り・味が散らばっている。もっといろいろなお菓子に出会って、絶妙な素材あわせなど探してみたいなあ…そんな気持ちを新たにした私でした。

ではまた、月曜!

(※写真は今回もお茶会とは関係なく…。またまた、コロコロとかわいい工芸茶のようす!入れ物は私の酒器…。)

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2004年11月01日(月曜日)

中国茶と合わせる美味しいスイーツ ・ その1

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

工芸茶>お菓子については、スイーツライターでもある月曜担当のカワスギ・ヒロエさんにコメントを委ねる(勝手に!!…スミマセン…)

当日誌の金曜日ご担当チンシャンのせこさんから、上記のようなバトンを渡されました。「そういえばこのブログでお菓子の話を全然していないっすね…」と気がついたスイーツライター、カワスギです。

そうそう、先週、この日誌の執筆者たちがはじめて、それらしく中国茶を囲んで集まったのですよ。チンシャンオフィスでのお茶会の模様、詳細はせこさんによる金曜のブログ(10月29日分)をご参照いただくとしまして。私は、チンシャンの方々がその場にご用意くださっていた、思わず顔もほころぶお菓子二種をご紹介しますね。皆さんもぜひ、中国茶と一緒にお試しを♪

1)「さゝめさゝ栗 」  with浙江龍井(せっこうろんじん)

“栗のお菓子に今まで、栗の味なんて感じていただろうか?”---一口食べたとき、そんなふうに遠い目になってしまうような、「甘さ控えめ、栗本来のほこほこした風味・甘み」を打ち出した栗菓子が、最近とても注目を集めていますね。有名なところでは楽天グルメ大賞連続入賞“やまつの栗きんとん”とか、最近吉祥寺で食べたエスプリ・ドゥ・パリの「焼栗ほの香」もおいしかったな。で、この日ご用意いただいたこちらのお菓子も、とても秀逸なホコホコ系栗菓子でした!岐阜・川上屋さんの「さゝめさゝ栗」。素朴な甘みの栗きんとんを、ぷにぷにの蒸し羊羹が包んでいます。「うまいなほんとこれ」「おいしいです~」「ほんとおいしい」…そんなことしかいえない我々ライター陣たち…。本当に美味しいものって、人から暫しボキャブラリーを奪うもんです!!(笑)

ちなみにこのお菓子、美しくカットしようとすると、内の栗きんとんが羊羹から飛び出そうになるため一苦労のようです。日頃大変お世話になっているチンシャンスタッフの方のお姿が見えず、「○○さんはいらっしゃらないのですか?」と他の方にお尋ねすると、「いま、奥でお菓子を切っているのです」とのお返事。そして数十分がさらに経ち、「○○さんはまだ戦っていらっしゃるのでしょうか」「ええ、苦戦のようです…」。そうやって苦闘の果てにお出しいただいたきれいな輪切りを、我々はひょいひょい胃に納めてしまいました。すいません。

(次に登場したお菓子については、来週月曜に続く…。では、また!)

※写真はお茶会とは関係なく、最近友人が、遊びに行ったときに出してくれた美しい工芸茶のようす。

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2004年10月25日(月曜日)

納得いく土日、カワスギの場合。

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

ぐいのみ。久々に達成感のある週末だったな!ほくほく!

仕事の話じゃありません…。
生活の話。

そう、おうちでの生活に飽きることのないタイプというのがいるものですが、
私はまさに本来的にそっちに属しております。
自分が自分のくらしに対して抱く小さな欲求たちを、
無視せずちゃんと取り扱ったときには、大変満足感を覚えるのです。

今週末に取り扱った「小さな欲求」の一例…。
「茶葉・ぐいのみ・酒瓶を美しく整頓・収納したいぞ欲」!
茶葉・ぐいのみ・酒瓶。私が好きなので集まってしまうものたち。
ゴチャつきつつあるのが気になってました。

お茶の素系(各種茶葉&珈琲)は、オープンシェルフ上に、アクリルケースにまとめて。納めた様子をいろんな角度から眺めては「まだ検討の余地アリ」などと呟いていますが、雑貨屋などを見歩き考えめぐらすのも楽しかったので、まあヨシ。今後もいろいろやってみます。

20コほど手元にあるぐいのみ類は、これから茶器も増えていくのかもと考えるとぜひコンパクトにまとめたい。竹籠に盛ってみたら結構よかったので(写真参照)暫くはこれで!

酒瓶…棚の左端から私の日本酒・リキュールが、右端から相方の焼酎・日本酒が増殖中。そろそろ、お、置けなくなります。さてどうしようか一気に減るもんでもなし…と話し合っているうちになぜか栓が開き飲みタイム突入。またかい。でも楽しかったのでヨシ。

こう振り返ると、課題を達成したかどうかはビミョウですね(笑)
私の満足感は、着手できた・無視していない・楽しめた、という点から湧くのでしょう。

他にも、衣替えとか、クレームパティシエール研究(カスタードクリームをつくってバリエーションを試した)とか読書とか、ここ最近気持ちが「じっくりやらせてくださいな」と願っていたこと、多種取り扱えた週末でした。

些細なこと。どれも、「いつでもできる」「ほかにもっと大事なことが」などと言っているうちに、スグ遠くへ押し流されていくこと。
でも自分らしさのニュアンスってきっと、利害のない場所で自分が選び取るモノや時間の過ごし方から、はからずも燻し出されてくるものですよね。
暮らしのなかの小さな「私の快さ」を、
ぎゅっと掴んでがっぷり味わっていたいなあ、と思うのです。

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2004年10月18日(月曜日)

ただ浸るだけ。

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

041018hiroe.jpg中国茶って難しそう、
というコメントを聞くことは多いですね。
私もそう思ってましたですよ。
中国茶については、
細やかにいろいろのことが語られているようで、
ビギナーにとってはズバリ、
先人によるそのうんちく堆積の気配が重い。
中国茶の上にうずたかく積み上がったうんちく山が目に入ってしまうと、
「これ掻き分けないと、そこに埋まっているお茶には出会えないわけですか。とっても大変そう。」
そんなふうに感じちゃうんですね。

その山、無視。まずはふらり、中国茶カフェにでも参りましょう。
お店の人が、とっつきにくく思えた手際は全部やってくれるし、教えてくれるし。
おまかせおまかせ。
我々にとって当面の問題は、いかにシンプルに「味」と出会うかってことですもんね。

私は、ちょっとばかり時間をさかのぼるある日、
互いに中国茶を良く知らない友達と、
何気に中国茶ティールームに入りまして…、

互いが頼んだプーアール茶東方美人を飲み比べ、
「う~むコレハ」
とシンプルに唸ることができたのでした!

ふたつのお茶とお茶はそれぞれとってもおいしい!んだけど、
私のプーアール茶は、土の大地がどこまでも広がっていくようなイメージがひろがる、
どっしり感のある味。
友人の東方美人は、
ハチミツのような甘やかさを放って、コロコロと喉を落ちる。
ふたつの世界観はとても隔たっていて…、

中国茶のおいしさ、
中国茶というカテゴリーでくくられている世界のはるかな広さと奥行きに、
細かいことはわからないまま、とにかくどうやら放り込まれた、って感じでした。
放り込まれたとき、語り出したくなる人の気持ちにも、何だかスルリと納得がいき。
あの山の威圧感も退いていくというもので。

私と彼女は、そのお店のメニューを眺め、
「ぜんぶ試したいね…」とつぶやき、
そのつぶやき宣言を、今もゆっくりゆっくり遂行中。
まだまだビギナーの私たちは、
いつも「う~むコレハ」と唸っているのみで、
未だにうんちくを介在させること叶っておりませぬ(笑)。

言葉を手繰るもどかしさを感じながら、
言葉が出る前の、ひたすら味わいに浸るだけのシアワセな段階を楽しんでいるのでした。

p.s.
この茶粥
、食べてみたいー!

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2004年10月11日(月曜日)

カフェ通い事始、カワスギの場合。

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

041011hiroe.jpg土曜、猛烈に降りましたね・・・!

私は何も予定を入れていない週末だったので、進めておきたい仕事に手をつけたりしつつ、家にこもっておりました。合間に、マグカップ片手にひと休み。ぐーっと椅子の背もたれによりかかり、ふと横の窓に目をやると・・・、窓ガラスに、雨が勢いよく当たっては流れ落ちていきます。当たっては流れ、注がれたように落ちていく、そのとめどない繰り返しを暫く凝視めていたら、「ああ、こういう光景も、見たな。」と、ある記憶がフワリ立ち昇りました。

前回も書きました通り、私は幼少の頃から“お菓子とお茶でイップク時間愛好家”。で、何処でお茶していたかといったら、家だけでは納まらず。習い事の帰り、付き添って来てくれている母と、教室近くのカフェに必ず寄り道していたため…、“外お茶”の愉しさも、早くから身に染ませてしまいました。

壁面の大きなウインドウに接するカウンター席が、私の定位置。椅子が高かったので、足をぷらぷらさせながら。ガラス越しに、プランターから溢れる夏の生き生きした緑や、冬の足早な人々の流れを見ました。その習い事にどっぷり入り込んでいったために、このカフェとは長い付き合いになりました。やがて一人で来るようにもなり、眼前のウインドウの向こうに、春も夏も秋も冬も、何度も巡りました。その時々の自分の思いも重ねて、見ていました。なかには激しい雨の日もあって、水の膜を持ったように雨に浸され続ける気持ちよさげなガラスを、私はぼんやりと、でも何か決めなければならない事を静かに反芻しながら、見ていたのです。

うーんなつかしい!そのお店がなくなってしまった今でも、私は「大きい窓に接しているカウンター席」が好きなんですよねえ。あのお店でのひとときが、“私とカフェ”の原風景。大事な人たちと丁寧に語らったり、いろいろなものを目に映し、じっくり考え進めたり。自分と・周囲と・この一日とを大事にするために、あんな時間を、いつも持っていたいものです。

窓を眺めながらの回顧モードから目覚めた私は、立ち上がって、ちょっと仕事の手を休め、パートナーとお茶をすることにしました。そんな週末でありました。

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2004年10月04日(月曜日)

中国茶との遭遇、カワスギの場合。

スイーツライター カワスギ・ヒロエ

041004hiroe5.jpgこんにちは。スイーツライターのカワスギです。

本日は茘枝(ライチ)茶を淹れました。甘い香り。
「たまにはこういったフレーバーティーの芳香におすがりして、禁スイーツ日を設けたりとか…」
などと考えている私の仕事は、各種媒体にて、お菓子についての文章を書くこと。ここしばらく、仕事がらみで和菓子摂取量が過剰だったので、いくら甘いモノ好きとはいえ、加減する必要を感じているわけですよ。

甘味との接点を欠かさない生活。幼少からです。すぐ喫茶店に入ってしまう母や、和菓子のストックを欠かさない祖父の背中なぞを見て育ち、学校から帰ったら“お茶とお菓子でまずイップク”しないと、次の行動をする気が湧かない子供。以来の日本茶・紅茶消費量に思いを馳せるとおそろしや…でも、中国茶と接したのはグッと最近なんですよね。

出会いは、以前勤めていた多忙系オフィス。コーヒーで胃を洗っている人が多く、私もザバザバ洗っていました。あるとき某先輩のデスクに、見慣れない形状の茶葉とカップ(これ似てます)を発見。「何煎も出るし、体調もよくなったよー」と言いながら湯を足していく彼女を見ていたら、「こういうのがいいようっ」と、我が疲れた胃の嘆願が耳に鳴るではありませんか。で、買い与えてみました。おススメされた烏龍茶は、まろやかで、でも体を澄ますようで。

中国茶との馴れ初めは、そんなふうでしたねえ。今後も私の日記は、“イップク”の時間に思うことをつれづれ書いていくと思います。どうぞ、よろしく。また月曜に。

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