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2005年01月27日(木曜日)

男も女もお茶を飲む

コラムニスト 宮澤やすみ

040126yasumi.jpg鎌倉での講演を無事終えました。料理屋を借りきって行なわれた小ぢんまりとしたものでしたけど、少人数なぶんみなさん食い入るように聞いてくれてありがたいやら緊張するやら。

それにしても、「宮澤さん、女性だと思っていた人」という声に何人もの人が手を挙げました。やはり世間はそう思ってらっしゃるのですね。

たしかに、自分自身「男臭い」キャラでは全然ないので、こういう女性向けのブログに登場させてもらうのも非常に光栄なことなのです。実際、どっちかというと女性とのほうが話が合うし、車の話よりもおいしいケーキの話の方がいいんですよね。だからって、ゲイとかそういう話じゃないんですよ(笑)。

男の人だってさ、ホントはかわいいスイーツとか大好きなんだから。おしゃれなカフェでぺリエにミントを浮かべたいんだから。ホテルでエステ付きのステイとかしたいんだから(イヤ、そこまでは・・・)。

そういうのをしたい男性が我慢しないですむ世の中になればいいなあと思います。

さて、講演に出かける前に飲んだのは、チンシャンでゲットした陳年烏龍茶。緊張をほぐしてくれました。
一通り、飲んで、話して、食べて、また話して。冷たい雨の中を帰ってきた夜。私はまた陳年烏龍茶をいれました。

ほのかに漂うのは、ミルクのような、ヴァニラのような甘い香り。ねっとりと熟れたマンゴーのような香りさえします。ひと口すすれば軽やかな飲み口。やがて、ゆっくりと伝わってくる深い味わい。高まっていたテンションがほぐれていく。静かに、じんわり、身体全体が温まっていく。

ワクワクした日も、がっかりした日も、楽しかった日も、あせった日も、温かいお茶があればちゃんと明日が迎えられる。

いろんな人がお茶で助けられてるんでしょうね。きっと。

P.S.
現在は宮澤やすみのブログでも、中国茶のことなどあれこれ書いてます。のぞいてみてくださいね。

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2005年01月20日(木曜日)

アサリへのオマージュ

コラムニスト 宮澤やすみ

040119yasumi最近うちの相方がいよいよ中国茶にはまり、チンシャンでガラスのマグを買おうとしたら入荷待ち。やはり人気なんですね~。入荷次第ゲットしたいと思います。

さて、仕事であさりのコラムを書くことになり、サンプルをもらいました。
東京湾で採れた、チャキチャキ江戸前のあさりです。

これでスパゲティ・ボンゴレを作ってみました。あさりの味をそのまま味わいたかったので、シンプルにボンゴレ・ビアンコでいきましょう。

それにしても、砂浜を熊手でザザッとかくだけで獲れるなんて、アサリはまるで人間に食べられるために生まれてきたような存在。よしよし、かわいいやつ。すぐに全部食べてあげるからね。

アサツキとにんにくを入れて、水、白ワインを煮立たせあさりを放り込み短時間で煮る。きっと苦しまずに成仏したことでしょう。貝の口が開いたらすぐひきあげるのがポイント。火を通しすぎると硬くなっちゃいますから。

んで、バターと煮汁とパスタをからめて、塩をふる。ちなみに塩はモンゴル岩塩。パッケージの商品名は、ぼくが筆で書いたものです。そういう仕事も時々やっています。ま、ともかくシンプルな料理こそいい素材を使いたいわけです。でも台所の奥から引っ張り出すのが大変でした。だって普段は使わないからさ。さあ食べよう!

ひと口めから、ザバーン! うまみの波が押し寄せる。浜の潮風が吹く。これはたまらないです。パスタの味とあさりの味とバターとが、主張しながらうまーく調和している。すごいぞ、あさり!

パパッとシンプルに作ったのに、あさりは充分にうまみを出してくれました。つくづく、人類に尽くしてくれるあさりちゃんであります。ありがとうあさりちゃん。人類はあさりに嫌われないようにしないといけませんね。

でも、もしあさりが人類に敵対するようになったら大変です。砂浜から突如現れた、キラー・アサリ。殺人貝殻で海水浴客を襲う、なんてことになったら面白い映画が取れそうですね。

前回ご案内したイベント、今週まで受付中とのことです。詳しくはこちら。鎌倉でお会いしましょう。

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2005年01月13日(木曜日)

年越しのイチジクパイ

コラムニスト 宮澤やすみ

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「また来週」と書いたわりにもう二週間経っちゃってます。まあ細かいことは言いっこなしってことで。

写真は「かのちゃん年賀状を作るの図」です。出しましたか、年賀状。もう遠い昔のことのようです。ちょっと時期はずれますが2004年もあと二日というときの話。

仕事納めもすみ、都内は人通りが減って空気もきれい。だからお散歩したくなるんですね。

相方といっしょに家からてくてく歩いて「椿山荘」へ。結婚式場だけど広い庭園は自由に入れる。いつもの散歩コースです。自然がそのまま残ってて。しかもお寺の三重塔が移築されていて、風情&趣パワーが全開! 遠方からいらした奥サマ方は「いいですわねえ~」と目を細めますが、私の場合はワクワクしてなんだか胸が高鳴る。わーいわーいと駆けずり回りたくなるわけです。この感じ、わかってもらえるのでしょうか。

その勢いで目白通りに出て、左にいくとちょっとしたカフェがあります。カフェというほどおしゃれでもなく、喫茶店というほど地味でもない、赤い窓枠が目印の、おかあさんがやってる、パイが自慢のお店。いっつも閉まっていて一度も入れなかったのですが、今日はなぜか開いてました。

とにかくいろんなパイがあります。焼きりんごにブルーベリーに栗、相方はグレープフルーツと金柑のパイを選び、わたしはイチジクのパイにしました。ごろん、とまるごとイチジクが一個のっかってる、豪快なパイをフォークでザクザク。どうせ二人しかいないから、少々お行儀悪くてもいいんです。

イチジクをまるごと食べるのは何年ぶりだろう。懐かしいお味にサクサクしてバターの香りも豊かなパイがおいしい。年末は、そんなふうにして静かに過ごしました。

ま、そんなムードも年明けとともに180度転換でして、今じゃ雑務に埋没する日々。そんなこんなで、ここでひとつ告知させてください。

 ライターズネットワーク湘南
 第7回 湘南の作家が語るシリーズその2 「お寺にいこう」

このイベントにゲストで呼ばれまして、講演をすることになりました。

少人数限定で行なうもので、鎌倉のお寺を訪れ、夜は懐石料理をいただきながら、ざっくばらんに話すというのが主な内容。わたしは夜の部に呼ばれてまして、講演というよりお話し会みたいな感じが近いかも。詳しくはこちらをご覧のうえ申し込んでください。ライターズネットワークというところが主催でして、出版関係者はもちろん、こういう仕事に興味のある方はお気軽に参加してくださいね。

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2004年12月29日(水曜日)

仕事納めは工夫式

コラムニスト 宮澤やすみ

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わ~~っ ゆきだ~~~っ!

朝から雪まじりの雨だったのが、いよいよ本格的な雪になってきました。

ふだんは重症の出不精なくせに、雪が降るとなぜかワクワクしてしまう。真っ白になった神社の境内を、駆けずり回りたくなってしまう。なぜだか、いくつになっても「雪の中かけずり回り症候群」が治りません。

いつもより早い積雪だそうですが、本当にこの一年、おかしな天候でしたね。台風に地震、そして大津波。やはり地球はおかしいんでしょうか。つらいことの多いご時世だからこそ、たのしいこととか、笑いとか、ほんわかしちゃう気持ちとか、そんなものを提供していくことに意味があるはず。来年も、わたしはそれを仕事にしていくつもりです。

いきなりまとめに入っちゃいましたが、昨日は、一緒に仕事しているプロダクションの納会に顔を出しました。今さあ、チンシャンっていう中国茶のサイトで連載やっててさ、と言うと、

「中国茶だったら、ウチの会社にもあった気がする・・・」

1年位前に、懸賞で中国茶セットが当たったんだそうで、一度だけ試して事務所の片隅においやられていたそうです。箱の中には、磁器の茶壷と小さな茶杯と茶盤という、典型的な工夫式のセットが。なんだ、持ってるじゃん。オフィス内での宴会の隅っこで、私と女性社員2名による、にわか茶会が始まりました。

ワインと日本酒ですっかり酔っ払った私たちは、それで香ピン(木へんに賓)烏龍茶を淹れ、くいくいと飲みました。「紅茶みたいだね」。「なんでこんなにちっちゃいので飲むの?」。「飲みすぎるとお茶酔いするんだってー」とてんでばらばらな会話。

その後はまた大騒ぎの宴会になったけど、きっとこうやって奥にしまってある中国茶が、全国のオフィスやご家庭にあるんだろうなあ。年末の大掃除で中国茶をみつけたら、ぜひ試してはいかがでしょう。

良いお年を。また来週。

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2004年12月23日(木曜日)

エア・ショーの素晴らしき世界

コラムニスト 宮澤やすみ

エア・ショーマニア(?)の友人が「航空ショー」に行こうというので連れてってもらいました。航空ショーって、飛行機が宙返りしたり、ギリギリですれ違ったりする、あれでしょ? 生まれて初めての体験です。車で江戸川河川敷へ、到着すると、すでにグライダーやラジコンがゆうゆうと飛んでいました。

しかし、なんといってもメインはプロの曲芸飛行士によるショーなのです。主役のパイロット、その名も「ロック岩崎」。ネーミングがニクイ(笑)! 彼のショーのタイトルは「エアロック」! 

空にかける熱い想いを胸に秘め、「太陽にほえろ」風の、ちょっと古風なサングラスが似合う彼は、その筋では絶大な人気を誇っていて、ファンの寄付による「手作りの航空ショー」が売りなのです。

すでに彼のサイン会が行なわれていました。ものすごい行列。かのちゃんもこれにはオドロキです。こんな世界があったんだな~と恐れおののく私でした。

そして、いよいよ彼と弟子の「サニー横山」の二人によるショーが始まりました! MCのおねえさんが絶妙なタイミングで客を煽ります。地元名産・こんにゃくみそ田楽をほおばりつつ、私は空を見ました。

いままでテレビの地域ニュースくらいでしか見た事なかったけど、やっぱり、生でみるとこれはマジですごい! 実際の飛行機が目の前でクルンクルン宙返りするだけでもド迫力。さらに二機が絶妙にからみあって、踊っているみたい。

なにしろステージが空なので何百メートル四方の空間を使うわけです。ヘタすりゃ1,2キロ向こうまで飛んで行ってギューンと迫ってくる。写真じゃ見にくいけど、スモークでハートの形を描いたりしましたが、これも何百メートルあることやら。とにかくスケールがでかい。

一番すごかったのは、飛行機をなんと空中で静止させる技。90度の角度でまっすぐ天にのぼり詰め、頂点で空中停止。ヘリコプターみたいです。

観客は子供連れの家族がほとんどだったけど、お母さんの方がキャーキャーいって感動してました。ショーが終わったあと、ロック(サンタクロースの扮装をしている)から子供達へプレゼントを手渡し、ロックが行く後を子供達が列をなしてついていく光景は、「ハメルンの笛吹き」みたいでおもしろかったです。


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2004年12月16日(木曜日)

マフィアとワインと烏龍茶

コラムニスト 宮澤やすみ

かのちゃん041216
土曜日に、ウチの相方(かのちゃんの飼い主)が中国茶の講習会に行ってきたというので、その話を書きます。

場所は渋谷の、某中国茶カフェ。30人ほどの女性が細かな彫刻の施された椅子に座り、講師の登場を待っています。

しばらくして、現れました講師さん。その風貌は、まさに謎の台湾人。オールバックの髪に丸メガネ。つめ襟の立った白い服。360度どこからみても台湾人です。これでつかみはOKなわけです。

話をきいただけの私は、いろいろ妄想が広がってしまいます。ちょっとインテリ風の風貌は、まさに「チャイニーズ・マフィアの若頭」。涼しい顔で麻薬シンジケートを動かしちゃうわけです。

そんな講師さんが、初心者向けに講義をしながら全員にお茶をいれてくれました。まさか、受講した女性は薬で眠らされ、売り飛ばされてしまうんでしょうかっ。少なくともウチの相方は無事でした。

「烏龍茶にも発酵の度合いでいろいろある」というのがテーマ。発酵度の少ない「清茶」は黄色っぽい淡い緑色をして味も繊細。このブログにも出ている「凍頂烏龍茶」は「はちみつのような色」と表現されていました。「鉄観音茶」はアンズ色で深みのある芳醇な味。発酵度の高い「香ピン(木へんに賓)烏龍茶」は紅茶のような色で味はフルーティーで甘い。

資料からの受け売りで書きましたが、私の感想は、「お酒のテイスティング用語とお茶の表現の言葉は同じ?」ということでした。

「芳醇」とか「フルーティー」といった言葉は、わかったようでわからない(笑)。ワインの世界では「この成分の香りを○×の香りと言う」なんて決められていますが、そこまで厳密なのはワインくらいなものなんでしょう。以前、私が焼酎の本をつくっていたときも、味を表現する共通言語がまだ定義されてなくて苦労したものでした。お茶を表現するときの独特な言葉ってあるんでしょうか?

とりとめのない話でしたが、講師さん、アジトでは高級なワインを飲んで白い猫なんか撫でちゃってるんでしょうか。そんな人の講義なら、私も行ってみたいと思います。妄想は尽きないのでした。

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2004年12月09日(木曜日)

ミルクの香りのお茶

コラムニスト 宮澤やすみ

かのちゃん041208
 かのちゃんはおだんごに夢中ですが、私は今週「歳末・原稿締切り祭り」の真っ最中です。どうしてこう、仕事って集中するんでしょう。ヒマな時はめっちゃヒマなのに・・・。

 キーボード打ちすぎで、指先から肩まで筋が痛い。腱鞘炎ですかね。しかし、会社で事務やってる人なんか、一日中キーボード打ってるわけでしょ? 痛み対策はどうしているんでしょう? どなたか教えてくださいませんか? 歯ブラシ持つのも重たく感じるんですけど、決して育ちがいいとか「婆や」がいるとか、そういうのじゃないんです。

 ひとつの原稿に集中したいんだけど、頭の中で別のネタのことを考えちゃう、こうなると頭がオーバーヒートしてきたサインです。こういう時は思い切って手を止めて、お茶でも淹れて一服するに限る。

 最近はオーャhックスな、青茶をサラッと飲みますが、最近は『乳香茶』というのに出会いました。

 このお茶、ミルクの香りがする。

 封を開けた瞬間から、ほのかな甘い香り。お湯をそそぐとそれがふわ~んと広がります。ちょっとココナッツミルクのような感じもある。

 味は青茶らしい香ばしい味わいでサラリと飲めました。2煎めからは香りは少なくなったけど、なかなかいいですね、これ。

 めずらしいお茶も楽しいけど「さあ中国茶を味わうぞー」と張り切るから、落ち着いた時にやりたい。ふだん使いには、やはり気軽なシーンでサラッと飲める青茶に手が伸びます。しかも私は脂っこい食べ物が苦手なので食後にも最適。

 この先も、、青茶で「締切り祭り」を乗り切ります。あ、お茶っ葉のストックあったっけ・・・。

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2004年12月02日(木曜日)

水辺の静かな時間

コラムニスト 宮澤やすみ

水辺1
疲れがたまったときは、水辺にいきます。

河川敷のひろびろした芝生もいいけれど、私の場合、近場の水辺といったら隅田川。

築地に近い、勝鬨橋(かちどきばし)のあたりは遊歩道がきれいに整備されていて、ちょっとパリのセーヌ川を散策するような、気持ちいい風が吹いています。

いつもは勝鬨橋から聖路加タワーのあたりをあるくけれど、今日は新富町の駅から橋を渡って佃島に行ってみました。
超高級マンションが建ち並ぶ佃島だけど、その足元にはまだまだ「江戸」がありました。鎮守の住吉神社を囲むように運河が流れていて、赤い欄干の橋がきれいに映える。ふるぼけた家並みにはりっぱな植木があって、おばあちゃんが水をやっていました。これは私のペースになってきましたぞ(笑)。

江戸の町は路地がいい。佃島の家並みを歩くと、人ひとりがやっと通れるくらいの道、というかスキマなのに「入口」と書いた看板と門がある。この路地の細さは初めてですが、見ていると確かに人が通っているんですよね。ちゃんと生活道路になっている。

「入口」というのは、じつはお地蔵さんを祀る祠の案内板で、この細いスキマを進んでいくと、ありました。奥まったところにイチョウの大木とお地蔵さん。かなり大事にされているようでした。

何軒かある佃煮屋さんをのぞいたあとは、隅田川沿いに降りて休憩。
平日昼間の下町はいろんな人がいます。
雑誌のグラビア撮影スタッフと、ポーズをとるおねえさん、橋の欄干につかまった状態で腕立て伏せを熱心に続けるオヤジ・・・。特別な競技でもあるのか、「後ろ向き走り」で通り過ぎるジョギングウェア姿のオジサンもいました。あぶなっかしい足取りですがその目は真剣でした。その横ではお母さんと子供達が遊んでいる。ディープなエリアです。

ぼくはただ川の流れを見ています。カモメが水の上をすいすい飛んでいる。一匹の鵜が何度も水に潜り魚を狙っている。観光水上バスがまばらな客を乗せて行き交う。散歩道はときどき人が通るけど、静かです。ぼくは暖かい日差しを浴びて、ひたすらボーっとしています。

心の中のざわざわした澱がゆっくりと沈殿していくような、静かな時間。ふと思い立って、風景をささっとスケッチしました。久しぶりに筆がよく動きました。


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2004年11月25日(木曜日)

苦い思い

コラムニスト 宮澤やすみ

かのちゃん041124
 形がおもしろいお茶を見つけました。名前は「苦丁茶(くーでぃんちゃ)」。名前から一抹の不安(笑)を感じましたが、一枚の葉っぱを、くるくると細長く巻いた形をしてるのがおもしろくて、とりあえず購入。

 どうやって入れるんだろう? と思いつつ、種類的には緑茶らしいので、とりあえずふつうのお茶のようにお湯を注ぎました。

 「おおっ きれいな色!」

 こんなにあざやかな緑色をするとはミントグリーンの液体がとてもきれいです(写真ではうまく色がでませんでしたゴメン)。そして香りは、う~んどこかで嗅いだことある。そうだ大学の卒業旅行だ。あのとき、生まれて初めての海外旅行を中国南部にしたんだっけ。桂林の水墨画のような世界はよかったけれど、水が合わずにお腹をこわし、食の都・広州ではせっかくの料理が楽しめなかった。それも良い思い出ですが、その旅で訪れた雲南省・昆明という町の空港に降り立った時、こんな匂いがしてた。緑茶のさわやかな香りの中に、どこか「ぬめっ」としたような匂いが混ざって、ミャンマーにも近い内陸の町に異国情緒を感じたものでした。

 突然のなつかしい香りにうれしくなって、ひと口飲んでみました。すると、

 「ぎょえ~、に、苦い!!」

 そりゃ、名前が「苦丁茶」だから苦いとは思いましたよ。でもここまでキツイとは! 口の中がびっくりしてキュッとちぢこまっちゃう。あまりの衝撃にしばしボーゼンと立ち尽くす。ああ、それなのに、もうひと口いっちゃうんですね。これがこのお茶の不思議なところです。

 「怖いモノ見たさ」という言葉があるように「苦いもの飲みたさ」というのがあてはまる、「あ~苦かった~、もうひと口」って飲んじゃう。ただ苦いだけじゃなくて、うまみのようなものを感じるんですね。商品説明には苦味の奥に甘みがあると書いてあります。

 葉っぱが通常のお茶の木からとれるものとはちがうようで、ちょっと漢方薬的な存在なのかも。あの苦味は、危険な感じじゃなく、いかにも身体によさそうな味でした。不覚にも(?)「ちょっとおいしい」と思っちゃう自分がいる。最初の一杯はどうやら葉っぱが多すぎたようで、2杯目は葉っぱを4,5本(細長いから本と数える)にしたら、わりと許せる苦味になりました。で、今朝も仕事の前に一杯。これは目覚めます。

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2004年11月18日(木曜日)

カフェ俳句! いいですねえ~

コラムニスト 宮澤やすみ

 一度別ネタで書き終えたんですが、川口さんのを読んで書き直しちゃいました(笑)

 外国の方って、妙に日本に詳しかったりしますね。

 私はモノ書き業のかたわら、書道の仕事もしていますが、海外からメールで注文がよく来ます。

 たいていは「武士道って書いてくれ」みたいな空手家のセンセーが多いですけど、ときどき、英語の詩や俳句を翻訳して、ジャパニーズ・カリグラフィー・スタイルで書いて欲しい、という依頼がくる。依頼人自作の詩だったり、昔の人の俳句や漢詩を英訳したものだったり、いろんなパターンがあります。俳句の場合は松尾芭蕉など昔の人の句を英語で言ってくるのが多い。たとえばこんなの:


 On a journey,
 Resting beneath the cherry blossoms,
 I feel myself to be in a Noh play


「日本語で言ってくれたらいいのに」と思っても、相手は外人だから仕方ない。それで俳句を調べてオリジナルの日本語を探しだすわけです。で、結果もとはこんな俳句でした。


 花の陰(かげ) 謡(うたい)に似たる 旅寝かな


 なんだか、ゆ~ったりとした気になってこっちまで眠くなりますね。


 さて、依頼人自作の詩を自分で訳す場合は、私が自由に翻訳して書いています。これがけっこう楽しい。

 詩を訳すときは、一度英語の「言葉」を理解したあと、すっと言葉から離れて、詩のイメージに入り込むようにしています。そこから日本語が出てくるのを待つ感じで。だから直訳はもちろんナシ。専門的な勉強をしないと本当はだめなんでしょうけど、楽しくやらせてもらっています。
 一度はプロポーズに送る「愛の詩」を訳すことがあって、あれはこっ恥ずかしかった!(笑) かのちゃんが邪魔して見づらいですけど、これがその作品です。
愛の詩!

 先日、なつかしい人からメールが来ました。フランス人のパトリックおじさん。1995年、当時会社員だった私が出張でジュネーヴに滞在したとき、小さなホテルのフロントをやっていた人でした。

 その人が、私に詩の翻訳と書道作品を依頼した、最初の人です。あれから仕事も名前も変わった私だけど、あの出会いが今の自分につながっていると思います。

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